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28話 冒険者vs魔王軍

次回からメインの戦闘です

「んー、どうするかな。魔王軍ってどんだけ強いんだろ」

冒険者達が森を進む中、私はどう動くか迷っていた。

冒険者の人数は50未満。これに勇者一行も加えた戦力で、太刀打ちできるのか?


「来たぞー!魔族共だー!」

偵察係のアーチャーの声が響く。

皆魔王軍とは初戦闘なのに、殺気立ってるなあ。


「僕が先陣を切ります!後に続いてください!」

勇者が鼓舞をするように剣を振り上げる。

どうやらカリスマ性はあるようで、その姿は堂々としており、英雄視されるのも納得がいく。

今は弱いが、後に転生者をも凌駕するようになるんだろうか。


私は隠密のまま、冒険者達から少し離れて様子を伺っている。

これは逃げているのではなく、暗殺者として基本の動きだ。

事実、他の暗殺者も何名か森に潜んでいる。


私は龍魔眼もあるし、戦場を細かく見ることができる。

せめて冒険者側に死者が出ないように働くとするか。

魔族に恨みは無いが、これも戦争だ。


その時、冒険者が向かう先から魔力を感じた。

練り上げられた形なので、魔法だろう。魔族の先制攻撃だ。

「戦闘開始か」


魔族側から、光の槍が放たれる。

それらは冒険者達を襲うが、魔法を察知していたのか、結界によって弾かれた。

今のは勇者パーティーのティアラの術のようだ。


そしてお返しとばかりに、今度は冒険者達が魔法を唱える。

その間に前衛職は勇者を先頭に突撃し、戦闘は白兵戦へと移った。


冒険者と魔族、両方の前衛が衝突する。

魔族は角や牙があったりするが、亜人とそう変わりない姿だった。

数は100はいないと言ったところか。攻めるにしては少なくないか?


「「「うおおおおー!!!」」」


剣で斬り合い、拳で殴り合い、魔法が飛び交う。

下手に飛び込んだらあっさり死にそうだ。


激戦の中、目立った活躍をしているのはやはり勇者だ。

後は‥.‥.あ、カリアンもいた。意外と強いな。

ミーアも危なげ無く戦っている。

セレスは後衛にいるから、まだ安全な方だろう。


「っと、私もやらないとな」

私は気配を殺しながら戦場に降り立ち、隙を見せた魔族から狩っていく。


人を斬るのは躊躇いがあるが、割りきるしかない。

殺らなきゃこっちが殺られるのだ。


勇者の働きで、戦いはこちらが優勢のようだ。

魔法の撃ち合いも競り勝っている。


「押せ押せー!」「怯むな!突っ込めー!」


勝てると感じたのか、冒険者側の士気が上がっていく。

魔族はもう半数以上がやられており、全滅は時間の問題だろう。


だが、敗色濃厚だというのに奴等は引き下がらない。むしろ玉砕覚悟で向かってきている。

まるで足止めだと言っているような‥.‥.。


(っ!?)

そう考えた時、龍魔眼が多数の魔力を捉えた。

モンスターの群れのようだが、このタイミングで来るなど魔族の援軍に決まっている。


(こっちは平気そうだし‥.‥.私がやるか)

恐らく今の勇者じゃ勝てない相手だ。

全員で挑めば、勝てはするだろうが犠牲者が出る。

ならば私一人で殲滅するのみ!


(負けてくれるなよ‥.‥.!)

不安を残し、場を離れる。

ここは勇者に任せよう。




戦場から更に奥、前方からモンスターの群れがやってくる。

飛行しているが、私より速いな。見逃したら町に行ってしまう。


敵は思ったより早く見える位置にやってくる。

遠目では鴉のように見えるが‥.‥.


「っまさか!」

刹那、黒い固まりが私を横切る。

それは鋭い牙と、流線形の翼をもった ───


「まじかよ‥.‥.」


───黒い、竜だった。


カイトには中堅冒険者が多いです

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