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〜奏の心情〜
真琴との距離が縮まり、更にアプローチが増えた一。千尋と千里香はそんな2人に笑顔で心の底から楽しんで接している。
ある日そんな4人を遠くから見つめる少女が……
ーーガヤガヤーー
いつも賑わうお昼休みの食堂。いつも私、舘中奏はお弁当を片手にお外で食べるの。でも今日は生憎の雨。そろそろ梅雨の時期に入りかけてきたのかなぁ。
「だあぁ!引っ付くな!ご飯くらいゆっくり食べさせろ!」
「いいじゃないですか!アーンくらいさせてくださいよ!」
「あっはっは。一は恥ずかしがり屋だな」
「イチくん耳真っ赤だよ〜」似ている2人が声を上げて笑っている。
「楽しそうだなぁ」私はボソリと呟いた。
私には友達と呼べる特別仲の良い友達はいません。だからこそ、あの方たちが気になって…煩わしく感じて…そして羨ましいのでしょう。