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白い部屋での心理実験

作者: 南波航助

「お願いだ、許してくれ」

「何を?」

「頼む、許してくれ」

「だから何を?」

「すまなかった」

「はぁ?」

「許してくれ」

あまりにもしつこいからそいつをぶん殴った。

「痛い・・・・・・これで許してくれる?」

「お前が俺に何をしたんだ!」

「すまなかった」

「だからさぁ」

「俺はあんたを、殺しちまった」

「なにいってんだよ」

「その後俺も死んで」

「冗談よせよ」

「俺ら、幽霊なんだよ。この部屋真っ白だろ!」

「嘘だ」

「ホントだよ。覚えてないのかぃ。俺があんたを包丁でひとつき・・・・・・」

「まさかぁ」

「まぁいいさぁ。俺らは死んだんだ。目を覚ますことはない」

「ふざけんなよ」

「ふざけてないよ」

「うわぁぁぁぁぁ・・・・・・」

男は倒れ込んだ。









「はい、心理実験終了!お疲れ」

「どうもッス」

男は倒れ込んだままだ。

「ホントに、人って思いこみで死んじゃうんですね」

「そうらしいなぁ」

「今回の死刑囚を利用した実験、良いデータが取れるな」

「そうですね」


























「ここはどこだ?」

「あなたは、神様です」

「え?」

「あなたは神様です」

一人の美女が一人の男に言った。

「まさか」

「本当です」

「嘘だ」

「本当なんです」

「証拠は?」

「あなたの力で何でも出来ます」

ここは白い部屋。

「ほら、このモニターを見て。これは東京のとある駅の監視モニターです」

「それは分かるよ」

「そこに座っている人に、「死ね」って念じてみなさい」

「分かった」

男は必死に念じた。

すると、座っている男は突然倒れ込んだ。

「すごい、すごい」

「どうです?あなたは神様なんですよ」

「そうか、僕は神だ!僕は神なんだ!」










「はい、実験終了」

「すごいですね。記憶を一回無くして、思いこませると」

「そうだ、自分を神だと思ってしまう」

「心理はすばらしいものだ」

「はい」


思いこみは、すごいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 心理学(?)に興味があり、タイトルに惹かれて小説を読ませていただきました。 短いながらも「なるほど」と思わせるところがあり、私的にはとても興味深く、好きな小説です。 ほとんど会話だけで構成さ…
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