まもる。
神里まもる。ハタチ。同じ大学に通っている。
私は河名瑠花。 まもるとは単なる友達。
まもるには年上の彼女がいる。社会人の……。
なのに、何故?私に言い寄ってくるの?
美人の彼女。こないだ楽しそうに歩いてたの、見かけたよ。
それでいいじゃない。私は関係ないし。
関わらないで欲しいのに……。
「瑠花。 今日空いてる? どっか行かない?」
決まって誘って来る。
大学の講義の後。週末は誘わない。
彼女と会うから……。
「やだ。 空いてない。 じゃあね」
わざと冷たくあしらった。
「えーっ! 何で? 今日ヒマなんだよ。 どっか行こうよ」
「あのさ。 あんた彼女いるでしょ? 私を誘わないで」
「友達でしょ?」
友達? ウソ……。こないだ付き合おうって言ったくせに。忘れたの?
そもそも私、代用品じゃない。
「とにかく行かないから。 他誘えば?」
カバンを持ち、教室を後にした。
外はどんより曇っていて、今にも雪だか雨だか降りそう。
私はクリーム色のコートを着て駅まで歩く。
あいつは何を考えてるの?
大学に入学して間も無く、同じゼミのまもると友達になった。
スラリとしていて、背も高いまもる。
人懐っこい笑顔で話しかけてきた。
それから現在までただの友達。
けどこないだ付き合おうって言ってきた。
美人の彼女がいるに……。
「冗談にも程があるっつーの」
はあっとため息をついた。
「冬休みまで後少しか……。 クリスマスまで後少し……。 彼女と過ごすんだろうな。 やっぱり」
何を考えてるんだ、私は。当たり前と分かっていても、やっぱり気になる……。
あんな事言うからだ……。
『付き合おう』
『あんた彼女いるでしょ?』
『お前とも付き合いたい』
『お友達のままでいましょう』
そう言ったけど、少しだけ揺らいでしまった私の心。
仲の良い友達のままでいたいのに。
まもるは最低な奴だ。彼女いるのに。
まもるの気持ちが分からない……。
「合コン行こうかなぁ」
友達のたかちゃんに誘われた合コン。
乗り気しなかったけど。行こうかなぁ。
まもるとは付き合うつもりはない。
二股とか嫌だし……。
私はたかちゃんに電話した。
『たかちゃん? あのさ、 合コン行くよ』
『本当? 良かった! 土曜日あけといてねぇ!』
たかちゃんはサバサバしたお姉さん的な人。私の良き理解者でもある。
「土曜日か。 まもるはデートだな」
気にしない。私には関係ないから。
どんより曇り空。雨でも雪でも降ればいい。




