〜なんば〜7-⑵〜
宜しくお願い致します。
〜回想〜
うちの近所に、すっごく可愛い女の子が住んでいた。
どうやらちょうど同い年のようだ。
どうやってなったのかわからないけど、私はその子と親友だった。
その子とは、よく公園で遊んでいたと思う。
ずいぶんと活発な子で、洋服は常時ズボン。
走り回るためだろうか?
自分のことを僕と言っていて、だけど、言葉遣いは結構丁寧。
公園の近くに教会があって、その日は二人で結婚式を眺めていた。
私が、『花嫁さん綺麗だね』っていうと、
『僕は君の方が可愛いと思う』と言ってきた。
うん。話が通じていないね。
私は綺麗って言ったはずだよね?
こいつの頭は大丈夫だろうか?
まぁ、この時はさらっとスルーして、
『えー?大ちゃんの方が可愛いよ。』と言ってあげたのだが
何と!奴は、いきなり怒り始めて、
『僕、男だから可愛いは嬉しくない!何でそんなこというんだよ!
意地悪なことを言っちゃいけないんだよ!
罰としてこれをぼっしゅうします。』
こういいながら、私の首にかかっていたペンダントを毟り取る。
そう。母から貰った、祖母の形見のペンダントを、だ。
てか、この時の私はずっと“大ちゃん"のことを女の子として認識していたからね!
初めて聞いたよそんなこと!
あまりにビックリしたため、私は必死に謝りながら、ペンダントを返してくれるように頼み込む。
しかし、
『もう!意地悪なことは人にいっちゃいけないんだからね!
仕方ないから、許してあげる。
けど…どうしよっかな〜。
ん〜。じゃあ、大人になったら僕と結婚して。
それを約束できるなら、これを返してあげる。
約束するよね?』
そう言って、一方的に婚約をさせられた。
私?頷く以外に何か選択肢がありましたっけ?
そんなわけで、なくなく約束をさせられた私は、祖母の形見の品のペンダントへと手を伸ばす。
しかし!そうは問屋が卸さない!
とでもいうかのように、大ちゃんの手は後ろへと引かれる。
バランスを崩した私は、たたらを踏みながら頭に(?)マークを大量に浮かべて、大ちゃんを困ったように見つめた。
『大ちゃん…?』
私がそう訊ねると、
『やっぱり、2人だけの約束じゃ不安だから、家族に紹介して?
家族にも僕たちの仲を祝福してもらおうよ。
明日挨拶しにいこうかな。
ねぇ、だからさ、住所教えて?
僕たち、婚約者になったんだからいいよね?
教えてくれないなら…
コレ、要らないってことだよね?」
そう言って微笑みかけてきた、その顔は黒かった。
黒すぎた。
約、一億回ループを繰り返してきた私ですら敵わないと思うほどには…
そして、その手に握っているペンダントは何故か橋の向こう、手すりを越えて川へとその身を優雅に踊らせている。
やめ、やめ、やめてぇぇええ!!
それされたらお母さんにおこられる!超怖い!!
あの人、やたらと口論強いんだもん…絶対勝てない…
そんなこと思い浮かべ、間近に迫る恐怖に敗北した私はついに住所を教えてしまう。
目の前の鬼、否、大ちゃんはニッコリと美少女の微笑みを浮かべ、
『美穂ちゃんは良い子だね。はい。ちゃんと返してあげる。』
そういいながらペンダントを返してくれた。
お母さんに叱られないことを確信した私はホニャリと力の抜けた笑顔を浮かべる。
急に袖を引かれ、驚き顔をあげると…
…チュッ…
キスされた。口に。
頬にでなく、口に。
大事なので二回いいました!
『〜〜〜!?〜〜〜〜〜!?!?』
混乱によって言葉にならない私に、大ちゃんが
『誓いのキスだよ。絶対に明日行くから待っててね?」
さらりと言い放ちクルリと踵を返し、後ろ手に手を降る少女、いや、少年は公園から去って行った。
後には呆然となり、一人取り残される私。
あの後フラフラとうちに帰ってすぐに、緊急事態を発令し、
家族にも詳しく伝えないままに引越しを完了させるのだった。
その夜、何処かの家の布団の中で、一人の少女が、
『私は無傷。私は無疵
あれは狼に噛まれただけであって、私は一切汚れていないわ。
あれは忘れなきゃいけない。私は何もされてない。
忘れるの、忘れるのよ…』
そういいながら眠りについたという。
次の日、涙に濡れた中1の春を綺麗さっぱり忘れ去った私は、何時ものように高校生活への対策を練るのだった。
急に引っ越したことを疑問に思いながら…
〜回想終了〜
いやー、腹黒い中学生っているもんなんですねw
以上が、美穂の過去でした。
どうやって、引越しを進めたのかは、後ほど…
次はヘタレが登場ですw
誤字に気づいた方!直ぐに私めにご報告下さいませ!
急いで訂正致します!




