#18
夜半過ぎ何気なく目を覚ます
ゆっくりと“うち”の者ではない力の気配
どこぞのバガか?と思いながら、警備に連絡
姉様達が寝ている部屋に保護を掛けて貰い犯人を待つ
力が部屋に貯まり凝り固まる。
現れたのは金髪蒼眼の青年
昼に押し入ってきたバガだ。
「なにようか」と聞くも、目的地・標的ではない所にいるため驚いているのだろう。口をパクパクしているだけである。
再度、返答を求めるために視線で促すも口を聞かないため「北の方では、夜半過ぎに他人の屋敷をこのようにして訪れるのが礼儀か?再度聞こう“なにようか”」
それで、正気に戻ったのか「后を出せ。連れ帰る」と胸ぐらを掴み怒鳴ってくる
「連れ帰ってどうするのだ?また、物も言えぬ人形にするのか?それとも王に抱かせるのか?」
実は北では、王子の妻とは名ばかりで、あの人の代わりに抱かれていた様子なのである。かっとなり殴りかかろうとするも、いつの間にか控えていたザークがその手を止めている
「嬢さん、危ないことはダメだろ」とメッと怒られてしまう。
「姉様達は?」
「気付いていないみたいだ」
「ありがとう。それ一応、王の子だから丁重に扱って」
「解った」とつれていく
保護している姉様達は特に酷い扱いをされていて人だけだ。
他の四人は、自力で認めさせて子がいる人もいる
元々“個人”を重んじめとった少数派もいるが…
数時間すれば朝が来る。北の方に抗議文と身柄引き渡しの文を送るため、執務室へ
「お嬢様。ご飯です」とマリア
抗議文と身柄引き渡しについての文。今回の件での落とし前についての概要を書いていたらそんな時間になっていたらしい
文はロバートに渡しておけば正式に伝達してくれるだろう
朝食を取りつつ皆の様子をうかがうが、気付いているものが少ないので、そのままにしておく
ザークには話を通しているため警備には問題ない
さて、寝直すかな~と思っていると
バンと大きな音を立ててドアがあき、兵士が流れ込んできた。「反逆者のハルだな。神妙にしろ」と剣を向けられる
“反逆者”ってどこの?
私は、どこにも属していないはず。なにに反逆すればいいのかな?踊らされているな~
と思っていたら
「何を笑っている」といわれる。
笑っていたらしい。
「知らないのですか?ここはどの国にも属していない場所。私個人が有する場所です。そして、私個人もどこにも属していない。誰に“反逆”すればよいのやら。お引き取りを」とロバート・ザークに目配せし兵士をつまみ出す
誰の思惑かわからないわけでもないが、面倒臭いから全て潰すか~それも面倒臭いなと思いながら、すべてを任せて寝に戻る
マリアに「詳しくは起きてから」といい退場
ちゃんとフォロー等もいれつつだから問題ないはず