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9話

「お前だったら血を吸われても許す」



表情を変えないまま俺を見つめる蓮。



「痛いかもよ?」

「別にお前だったら痛くても許す」



ピクリとも表情を変えない蓮。



「血を吸われたらドラキュラになるらしいよ?」

「べつにドラキュラでもいいけど」



まだ表情は変わらない。



「ドラキュラになったら一生死ねないっ」

「お前がいるんだから別に死ねなくてもいいだろ!なんだよ!俺をドラキュラにしたくないなら言えよ!」



………俺は何を言ってんだ!


どんどん恥ずかしさが込み上げてくる。



「俺は尚をドラキュラにはしない」



真剣な顔の蓮。


俺とは一生一緒にいたくないって事か。




「そうだよな!おっ俺もドラキュラとか嫌っ」

「ドラキュラって同種の血は吸えないんだよ、だからドラキュラは人間の血を吸わないと生きていけない、尚がドラキュラになったら俺は誰の血を吸えばいい?尚は誰の血を吸う?考えただけで血の気が引く」



…………へ?



「尚が人間でいてくれないと俺死んじゃうわけ」



………………もしかして本当にドラキュラ?



「血、吸わせてくれるんでしょ?」

「えっお前本当にっ」



俺の首に視線を移しながらゆっくり顔を寄せてくる。


なぜか俺も頭を傾け首を差し出した。



「…んっ」



唇が首に触れたと同時にチクっとした感覚が走る。


……血、吸われてんのかな……なんか気持ちいいかも…


心臓は高鳴り体は痺れて力が入らない。



「なお」



首にかかる蓮の息がくすぐったい。



「反応可愛すぎ」

「俺の血うまっ…んっ……蓮」



蓮の舌が傷口をなぞる。


これはダメだ……バレるくらい体が反応してしまう。



「れっ蓮…んっ……」



頭が真っ白になって快楽に溺れかける。


一瞬離れた隙をついて体を少し後に引いて傾いた首を戻しながら蓮に視線を向ける。


蓮は角度そのままに視線だけ俺に向けた。


いつもだったらすぐに声をかけてくるのに見つめ合ったまま何も言わない蓮。



「おっ俺の血うまい?」



この雰囲気から逃げた俺。



「………吸ってないからわかんない」

「えっでもチクってっ」

「…ある意味吸った…あー…残ったな」

「………へ?」

「キスマークごめん」



キスマーク?キスマークってあの?



「お前キスマークって!」

「だからごめっ」

「やり方知ってんの!すげー!どうやんの?」

「…え?」



キスマークくらい俺だって知ってるけどやり方とか知らんしあれって上級テクなんじゃないの?


ポカンとした顔で俺を見ている蓮。




「あーそうだったな、お前は上級者だったな」




そうだコイツ経験者だったわ。



「…はぁ……尚って…」

「なんだよ」

「……なんでもない」



いやいやいや気になるだろ!



「言えよ!」

「いいよいいよ尚が尚な事忘れてたわ」

「は?はあ!?」

「大丈夫こっちの話」

「はあ!?どっちの話だよ!」



俺……やらかしたのか?



「俺トイレ行ってくるわ」

「待てよ蓮!話はまだ終わってっ」

「後で聞きまーす」

「おい!」



俺を1人残してトイレに行ってしまった。

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