21話
あれから3日が経った。
「なぁ王子と天谷って付き合ってんの?」
隣の席の奴が俺の神経を逆撫でしてくる。
「さあ」
「さあって隠すなよ!」
隠してねぇよ。
「天谷ほどの美人なら流石に王子も落ちるかぁ!」
「まぁな」
確かに天谷は美人だしキャピキャピしてる感じしないから蓮のタイプだろうしお似合いだと思うよ。
「姫の彼女は?」
「……は?」
「姫の彼女だよ!彼女いるんだろ?」
「あーー」
その設定もういらなくないか?蓮も彼女作っちゃったし俺も恋人とイチャイチャしたいし?
「別れたから募集中」
「えっ!マジか!……いやでも黙っとこ」
「は?」
「だって姫が彼女募集中とか俺ら勝ち目ないし」
「誰か紹介して」
「マジ!姫来るってなったら可愛い集まるよな!姫は性格に難ありだから時間使えば可愛い子ゲットできる!」
「誰が難ありだよ」
「よし!任せろ!」
テンション爆上がりに消えて行った。
「それ良くないんじゃない?」
塁が呆れた顔で俺を見る。
「絶対やばいね」
拓哉が笑いながら話す。
「事実じゃん、彼女いないし」
「蓮が知ったら知らないよ」
塁が哀れんだ顔で俺を見る。
そんなん俺の勝手だしアイツ彼女いるし。
「実際アイツ天谷と一緒に居るし」
今も天谷と廊下で何か話している。
「俺は付き合ってないと思うけど」
塁が蓮を見ながら呟く。
「絶対ないね、ありえん」
拓哉も蓮を見ながら呟いた。
「どっちにしろ俺も高校生活エンジョイしたいし」
「俺らと遊ぶだけじゃ足りないと?」
拓哉が拗ねた表情で俺に視線を戻す。
「恋人と友達は違うだろ」
「友達と居る方がバカできて楽しいって」
「それはお前に彼女がいるからわかる事だろ、俺は恋人なんかできた事ないんだからわかんねぇって」
言った後に気付く失言。
塁は拓哉が好きなのに拓哉に彼女がいる事を塁に再認識させるなんて俺はバカか!
「確かに彼女より友達のが楽しいよな」
塁が窓の外を見ながら答える。
「……ん?」
拓哉が塁を見た。
いやーな予感がする。
「彼女いないっしょ?」
拓哉が塁を見ながら質問をする。
「今は」
外から目を離さず塁が答える。
「今は?」
「うん今は」
いやーな沈黙が流れる。
「は?」
拓哉の明らかに怒った声。
「彼女いた事あんの?」
「まぁ昔」
「いつ」
「中学の時」
外から目を離さない塁と塁をガン見する拓哉。
拓哉から恐ろしい怒りのオーラを感じる。
「どこまでやった」
「……は?」
塁が外から拓哉に視線を変える。
「どこまでやったか聞いてんだけど」
「なんだっていいだろ」
「よくねぇから聞いてんだけど」
「拓哉にっ」
「関係ねぇって?」
「実際関係ねぇだろ」
拓哉と塁が見つめ合う。
「悪い遅くな………った……」
はい、KY登場。
KYとは空気が読めない奴の略ですね。
ビックリした顔で俺を見る蓮。
「もうこの話は終わり」
塁が席を立ちながら話す。
「は?終わるわけねぇじゃん」
塁の腕を掴み鋭い視線を向ける拓哉。
「痛い」
手を離そうとしないどころか拓哉まで立ち上がり塁の手を掴んだまま教室を出て行った。




