10話
「おっ!戻ってきたな!」
蓮は俺の顔を見るなり苦笑いする。
「今日は帰るわ」
「はあ?なんでだよ!」
急いで蓮の傍まで移動した俺。
「だったら拓哉と塁っ」
「いらん!俺とお前だけでいいじゃん!」
せっかく2人きりなのに。
「んー…なんてゆうか2人だとっ」
「俺と2人が嫌って?」
「そんな事誰も言ってないだろ」
「じゃあなんだよ」
俺と2人が嫌ってなんだよ………心臓が痛い…
「絶対に嫌とかじゃないから」
「俺とお前の仲じゃん!友達だろ?親友だろ?」
「…………うん」
「じゃあ2人でもいいだろ」
「……わかった」
よかった、まだ蓮と一緒に居れる。
「とりあえず部屋に戻るか」
「…そうだな」
どことなく元気がない?やっぱ嫌なのかな。
部屋に戻り俺が先に座る。
「ん?蓮?なんでそこに座んだよ」
俺の隣ではなく少し距離がある位置に座る蓮。
「ゲームするのに近いと邪魔じゃん」
「ん?急にゲーム?なんで?」
「話も終わったしゲームするでしょ」
話って終わったんだっけ?拓哉の話が終わってドラキュラの話になってトイレ行って終わったのか?
ブー…ブー…
「あっすまん、電話だわ」
通話を始めた蓮、相手は誰だかかわからない。
「はい、え?あーうん大丈夫、明日16時ね、じゃ」
誰かと約束だろうか。
「お待たせ」
「うん」
「んじゃゲームするか」
「えっあっうん」
聞けない。
誰からの電話だった?明日どこで誰となにするの?
「おーい、コントローラー」
「おう、ありがとう」
全然集中できないままゲームをする。
「尚さんの番ですよ?」
「あっごめん」
「んー、ゲームやめる?」
正直ゲームどころじゃない。
「尚なんか急に変だよ?なんかあった?」
「へ?」
「悩み事?」
まぁ悩み事ですね。
「俺たちの仲じゃん相談しろって」
「いやぁ……なんてゆうか…」
「親友にも話せない悩み?」
親友か…って俺もさっき親友とか言っちゃったな……でも…俺にとって蓮は親友じゃないんだよね……ずっと。
「おーい」
最近の俺はダメだ、前は気持ち隠せてたのに。
ちゃんと友達しなきゃな。
「あっお前明日放課後遊べない感じ?」
「え?あぁ、店の手伝い頼まれて」
「店って玲子さんの?」
「そうそう、休日たまに手伝ったりしてんだけどなんか手を怪我したらしくて急遽明日ね」
「そっか、そっかそっか!頑張れ若者!」
「俺がこき使われるって知ったら嬉しそうだな」
「へ?全然全然!」
よかった、聞いてよかった。
「じゃあ拓哉と塁と遊びに行くわ」
「え?来なくていいよ」
「なんで?」
「別に俺が働いてるとこ遊びに来ても面白くないだろ」
「行く行く気にせず仕事して」
蓮の親戚の玲子さんがやっているcafe。
時々遊びに行ったりしてたけどあそこの制服を着ている蓮を想像したら行かずにはいられない。




