貞美
今作を読んでいただきありがとうございます!
これからどんどん面白い作品にできるよう努力して行きますので是非楽しみに読んで頂けると嬉しいです!
はぁっはぁっ
優実の震え荒ぶる息が狭く冷えた薄暗い部屋に響き渡る。
ガチャンッガチャンッ!!
本棚や物入れはひっくり返り、物が錯乱し、優実が取り乱し暴れ回っている様子をその錯乱した部屋は物語っていた。
「何で!!何で消えないの!!このクソアプリ!!」
優実は散らかる部屋の片隅で、手に汗滲みながら大きく目を開き血走る目つきで携帯の画面をギロギロと睨みつけている。
目の先には冷や汗で垂れる携帯にポツンと映る“あと零日“の一言。
「こんなのおかしい!だって私は言われた通りにしたし、皆んなにも拡散もしたのに!なのに何でぇ!!」
荒ぶる声とそれに呼応するようにドクンドクンと刻一刻とその時が近づくように早くなる優実の心臓の音だけが部屋の中を埋め尽くす。
プッツン――
突然携帯の画面が真っ暗になり、一瞬何が起きてるのかわからずポカンとなる優実。
「えっっ?」
だがすぐ気づく。
そう、分かっていた“その時“は来たのだと。
「嫌よ、嫌、、嫌ゃゃぁ!!」
優実はどうしようもないことを分かっていた。
だがそうだとしても迫り来る“何か“に諦めたくなくても抵抗する術もなく、蹲りながら右手に強く握る携帯に必死に小声で謝り続ける。
「どうか、、どうか貞美様許してください、ふざけてあの時ともちゃんに勧められたアプリを遊び半分で入れた私が間違っていました、どうか、どうか許してください」
優実の体は小刻みに震え、ガタガタと歯を揺らす。
股間からは自身では止められない熱いものがジワジワと溢れ出し、涙で滲みパンパンに腫れる目では画面がぼやけて見づらくなっていた。
そんな優実のぼやける目に光を刺すように
“ピコン“
と携帯の電源が入る音と共に薄い光を放つ。
「嘘だ、、こんなの嘘だよ、、」
囁くように呟くとさっきまで、念仏のように唱えていた謝罪の言葉も何も意味ないことを察したのか、右手に強く握っていた携帯を、地面に何度も何度も強く叩きつけた。
右手は爪が割れ、皮も破れ、血がドクドクと滲み出てく来ても殴る。
血で携帯が滑り少し先に飛んで行こうと、血走る目でそれを追いかけ発狂し叫びながら何度も何度も強く携帯を地面に打ちつける。
痛みなど今の優実には感覚もなかった。
それでも携帯の変わらず灯し続ける明かりが消えることを願ってひたすら何度も殴りつづけた。
だがそんなことで携帯の明かりは変わる訳はなく、付いている。
ドクドクドクドク……
静まり返る部屋の中には絶望と焦りそして今まで味わったことのないどんどんと迫り来る恐怖に対して呼応するように早くなる優実の鼓動音だけが響く。
「やばいやばいやばい何とか何とかしないとやばいや……」
焦る気持ちはより優実を壊した。
「何で壊れないのよ!!何で何で何で何で何で……」
また何度も何度も叩く。
地面、机の角、何度も叩き続ける。
そんな彼女の動きを切り裂くように
“プルルル プルルル“
携帯の着信音が鳴り響く。
その瞬間優実は心臓を何者かに強くぎゅうっと掴まれたかのように動きをピタッと止めた。
殴られ続けた携帯はそれでも着信音を鳴らし続けるのを見ると優実は諦めたかのように静かに膝から崩れ泣き出す。
すると携帯からスピーカーで馴染みのある優しい声が聞こてくる。
「まさみん!!ねぇまさみん!」
焦るように聞こえてきたのは優実の小学生の頃からの大親友で、このアプリを先に入れた智香の声だった。
「ともちゃん…?なんでともちゃんが…?」
泣きじゃくり咽せる様に鼻声で返す優実。
この絶望の中、大好きな友達の声を聞いて少しの安心と、同時におかしいこの状況に気づく。
「まさみん!?ねぇ!まさみん!助けて!」
但し我に帰る優実はそれと同時に思い出す。
「お願い!聞こえてないの?まさみん?返事をしてって!」
「ともちゃん?ともちゃん..なんで..話せるの?」
「私もわかんないの!でも呪いの日が来て、私は貞美に殺されたと思ったら、気づいたら...」
“プーー プーー“
智香の言葉を切り裂くように突然電話が切れる。
その時優実は背後の人の気配にようやく気づく。
ハッハッハッ
荒れる息を必死に落ち着かせ息をゴクリと呑み、ゆっくり後ろを振り向く。
そこにはボロボロになった肌、右や左に曲がった指先、体には複数の殴られた傷や刺し傷、白い装束を纏い、足まで伸びた漆黒の黒髪を垂らしながらも、その髪の中から心臓を刺し貫くような強い眼差しでこっちを“ギロリ“と睨みつけるような目で優実を見ている女が立っていた。
「……貞美ィィ!!」
優実が大きな声で必死に貞美に飛びかかり最後の抵抗をしようと貞美の髪の毛に飛びつく。
「ごめ.ん.なさい」
微かな声でだがハッキリと貞美が謝る声が聞こえる。
「え?」
優実の疑問の声と同時に
“ボキィッッ“
と鈍い音が部屋の中に大きく響き渡る。
貞美は優実に右手を翳すように構える。
優実は一瞬で両腕両足が逆さになるように折れ、首は百八十度回転し、腰の位置で逆向きに折りたたむようにパキッと反対側に折れ、少しだけ貞美を前にする様に浮いていた。
ピト ピト ピト
優実の浮いた体から足先を通して血が垂れる音がする。
貞美もまた優実の死が分かると右手をおろす。
グチャァッッ
生々しい音共に原型を留めない優実が地面に落ちる。
音もなくスゥーっと携帯に消えていく貞美。
読んでくださりありがとうございます!
第一話如何でしたでしょうか?
どこかで聞いたことあるような設定の貞美w
実に恐ろしい!!
ですが殺されてしまった優実はこのままで終わってしまうわけがありません!!
続きの話も是非読んでいただけたら嬉しいです!
少しでも気に入って頂けたらブックマークや評価、感想等々お待ちしております!!
ご愛読ありがとうございました!




