表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
出来損ないと呼ばれた巫女は、守り神となった妖に溺愛される。  作者: 文字書きA


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/46

第十話:夕食(前編)

客間から居間に移動する間も、神々は琴葉(ことは)から離れなかった。彼女は少し、緊張しながら廊下を歩く。


「今日は、美味しいご飯をお腹いっぱい食べようね」


「なんだ、実家ではそんなに苦労したのか? ……よしよし、もう心配は要らないからな。これからは俺が付いている。ずっと守ってやろう」


代わる代わる、話しかけられる。その言葉に頷いて、女は迷いながら口を開いた。


「……あの。お二方は、どうして私を気にかけてくださるのでしょうか」


「あれ、言わなかった? 君の魂が美しいからだよ。晶子(あきこ)と同じ、輝く心。その色は、僕たちを()きつけて離さないんだ」


そう言って、暁明(ぎょうめい)は狐の姿で彼女にすり寄る。宵闇も、柔らかな眼差しを向けてきた。琴葉は瞬きをして、胸に手を当てる。


「……その。私には、よく分からなくて。魂の色、なんて……」


「人には見えんさ。貞包(さだかね)もそうだった。それでも俺は奴を気に入っていたし、決まった相手がいなければ、永遠を共にしたかった」


「……そういえば。宵闇様の姿絵は、女性であることが多かったような……」


「俺たちにとって、人の姿はどうせ仮のものだからな。貞包の側にいる時は、奴に合わせていた。それだけだ」


会話の途中で、何かに気づいた女を(ともな)って。宵闇は居間に入る。食卓には、既に食事が並べられていた。


「……凄い」


舟盛りや一人鍋まである豪華さに、琴葉は思わず声を上げる。宵闇は先に座布団に座って、少女に向かって手招きした。


「さあ、琴葉。隣に来い。ここは、お前の席だ」


「……はい」


招かれるままに席について、彼女は目を輝かせながら箸を持つ。そして幸せそうな顔で食事を始めた。その横顔を見つめていた宵闇は、狐と目が合って真顔になる。


(……こうして僕らが揃うのも、久々だね。僕は本体じゃないし、君も人の体を借りているけれど)


(……そうだな)


口には出さず、思考を伝える。それは神の(わざ)だった。二柱(ふたはしら)の神は、言葉を発さずに意思を交わす。


(君には見抜かれているだろうけど、僕は琴ちゃんが生まれた時から、今までずっと見守っていたんだ。この子はとても優しいから、どんな扱いを受けても家族のことを愛していて、どうするべきかと思っていたよ)


(そうか。それなら丁度良かったな。玲哉の婚約者として、ここに置こう。……琴葉には、まだ決まった相手はいないのだろう? 今度こそ、手に入れよう。この(さい)だ。お前が居ても構わない)


(はあ? この子は桜花の……つまりは僕の愛し子だけど? むしろ、譲歩してあげているのはこちらの方だ。勘違いは、しないでほしいな)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ