3-1ゲーム目 また次へ
見たことあったことではあったが、ここオンセンでもらえたものは、別に都市そのものではなかった。
だけど、多くのアイテムをもらうことにはなった。
特にここ武士に与える伝説の武器、カタナに関していえばかなり強い武器だ。
耐久値が低いくらいで、攻撃力に関しては、最強クラスといっても過言ではない。
となれば、これを使えるような人……
確実に亜紀にはなるが、亜紀からすれば最高の武器だろう。
「あとからこれは渡しておくか……それと、後はこれを確認するのがいいよな」
確認するものというのは、ここからのメインストーリーがどうなるのかというものだ。
面倒なことに、メインストーリーを進めないことには次へと進むことができないということになってしまっているのだ。
いつものシステム的な壁によるもので、NPCには通れて、俺たちには通れないものが存在しているらしい。
まあ、そのシステム的な壁があるところには面倒な何かが待っているということだけは覚悟しないといけないのかもしれないが、そこには何かストーリーとして、重要なことがあるのは確かだ。
だとすれば、その場所がわかれば行くことで、面倒なことに巻き込まれることは確定にはなってくるのだが、最速でこのゲームをクリアするのであれば必要なことになってくるだろう。
「だからって、あたしたちもこれに付き合わされるわけ?」
「一人だと難しいことでも、人数がいればなんとかなることもあるだろ?」
「じゃ、あたしたちは見とくから、チャレンジしたらいいんじゃないの?」
「本気で言ってるのか?」
「当たり前でしょ、そもそも死にたくないし」
「死にたくないのは俺もだからな」
毎回のことながら、からかった会話しかしてこないのはどうかと思う。
俺だって、面倒なことなんかは避けたい。
だけどな、やらないことにはクリアできないとなればやるしかないということくらいは納得してほしい。
「なあ、一度はこの地図に載っている場所に行く気はないか?」
「はあ……女性に対して、そういうことを言う場合は、もっといい場所にしてほしいんだけど」
「仕方ないだろ、ゲームの中なんだからな」
そうとしか言えない。
そして、話している俺たちに今更ながらにヒメちゃんは聞いてくる。
「お二人は結局結婚しているのでしょうか?」
「全く違う」
「そうそう、あたしたちはただの腐れ縁」
「そのとおイダって何をするんだよ」
「別にいいでしょ!」
何故か怒りだした亜紀にどうしたものかと考える。
そもそも夫婦であるのだとすれば、余計に速くゲームをクリアしたいと考えるものだと思うのだが、違うのだろうか?
いや、余計なことをまだ言うのは違う。
話が余計に脱線する前に、俺は再度口にする。
「どっちにしろ、次の目的地へ行くほうがいいだろ?」
「じゃあ、その次の目的地は?」
「ここだ」
俺はそう言って、指さす。
そこの近くには一つの都市がある。
亜紀はそれを見て呟く。
「ねえ……」
「なんだ」
「なめてるわけ?」
「そんなわけないだろ、仕方ないんだよ。ここにあるアイテムを使うためにはな」
「順番があるんじゃないわけ?」
「いや、手っ取り早く攻略するための順番なだけだ」
まあ、確かに次の向かうところについて行きたくないというのも理由はわかる。
でも、だからこそ、ここオンセンでのアイテム。
オンセンが必要なのだ。
そして、オンセンというアイテムは普通に使うだけではなく素材としても、有効なのだ。
特に回復薬の素材として……
今回わかったことである、回復薬を使うことによってアイテムを再生といえばいいのか回復することで何回も使えるという、完全にチートなものだ。
だが、あの後少しだけ試したところ、魔法書の強さによって、回復できる回復薬が違うというものをなんとなくわかった。
だからこそ、回復薬をまた使えるように作っておく必要もある。
やること、行くことは決まった。
後はそれに向かっていくだけだ。
文句を言われながらもな……
読んでいただきありがとうございます。
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