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だからこのゲームは間違っている  作者: 美海秋
このゲームの回復薬は間違っている

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2-10ゲーム目 ゴーレムたちは崩れていく

 ゴーレム。

 倒すときに、多くのゲームでは特別な条件?

 というものが存在しているが、実際のところ、そんな面倒な設定を作っていくのはやりたくない。

 まあ、これについては、メインストーリーに関係するようなモンスターではないので、余計なものを付け加えていないはずだと思っている。

 多分にはなるが……


「それで、何をやるわけ?」

「まずは、ゴーレムを探す」

「それはわかってるけど、倒し方を聞いておかないといけないと思うんだけど」

「確かにな。急に出会ったときには、倒し方がわからないと危ないよな」

「よくわかっているじゃない」

「よし、だったら言っておく。ゴーレムの倒し方。それはだな……」

「それは?」

「ゴーレムを連れてくることだ!」

「はあ?」


 亜紀は、俺の言葉を聞いて、何を言っているんだと顔をする。

 だけどだ。

 よく考えてみてほしい。

 ゴーレムだ。

 岩などでできている相手は、基本的に倒すためには、地道に足などを削っていくか、水場に落とすことで継続的にダメージを与えることが可能だ。


 でも、よく考えてほしい。

 この場は荒野。

 当たり前だけど、水場など存在していない。

 となるとやれることは地道に倒すこと、もしくは水系の魔法を使って倒すということだ。

 でも、どれくらいの攻撃によって倒せるのかはやってみないとわからない以上、そんな面倒なことはしたくない。

 魔法の書も作るのが面倒なので、そんなに用意はできない。

 ということを考えると、簡単な方法というのが、ゴーレム同士を戦わせるというものだ。


 ゴーレム同士が戦うことができるのか?

 その疑問は簡単に答えがでる。

 余裕だと……

 なんで?

 だって、ゴーレムは近くの相手を攻撃するということになっているからだ。

 ま、それが同じゴーレムだとしても同じであり、ゴーレム同士となれば、どちらかが生き残ることにはなるが、お互いに戦うことになれば、ダメージをくらっていることは明白(めいはく)で、弱ったゴーレムであれば倒すのはそこまで難しくない。

 ということを亜紀に熱弁した。


「うん、だったら、やって?」

「あ、はい」


 どうして、こうなることを予想していなかったのだろうか?

 お互いにゴーレムを探して、それを合流地点でぶつけ合うということを、俺はしたかったというのに、説明を聞いた亜紀に言われたことというのは、頑張ってということだけだ。


「じゃあ、頑張って」


 亜紀は、そう言葉にすると、その場に椅子を取り出して座る。

 本当に用意がいいな。

 だが、やると言ったのは俺だ。

 となれば、やらないというのはダメだろう。

 プレーヤーがそもそも少ないということもあるが、こんなデスゲームになったゲーム世界で、明らかにメインストーリーと関係のないことをしている俺たちと同じように、ゴーレムを倒すというプレーヤーたちはいない。


「簡単に見つかることを期待するしかないか……」


 そんなことを口にしながらも、俺はゴーレムを探し始める。

 ゴーレムというのは、岩の塊だ。

 見ただけではわからないとはいえ、普通とは違う点だってちゃんとある。

 それは、何かが当たると反応するということだ。


「自分で作ったモンスターだからな、少しくらいは覚えてる」


 地面に転がっている小さな石たちを拾うと、俺はそれを適当な岩に向かって投げていく。

 岩にはカンという音をたてて弾かれる。

 だが、それだけであたりはシーンとするだけだ。


「あれは、違うということか……」


 一人での作業ということもあり、緊張から、独り言が増えるのに気づかないまま、さらに石を岩に向かって投げていく。

 だけど、それから何度投げて岩にぶつけても、岩がゴーレムとして目を覚ますことはない。


「うーん……どういうことだ?俺のやり方が間違っていたのか?」


 そんなことを考えながら、次の岩に向けて石を投げようとしたときだった。

 気づけば、亜紀といた場所からそれなりに離れていた。

 だけど、どうしてだろうか……

 離れているはずの亜紀の声が聞こえる。


「ふざけんなあああああああああああ!」

「うん?」


 俺は、声がするほうを見た。

 そこでは、ゴーレムに追われている亜紀がいた。

 どうしてそうなっているのか?


「あー、なるほど……ゴーレムが出来上がるまで、確かタイムラグがあったな」


 そうなのだ。

 ゴーレムは、モンスターとしての魔石をコアとして、周りの岩をくっつけるようにして出来上がる。

 ということは、ゴーレムとなるためには時間がかかる。

 だから、俺はさっさと通り過ぎてしまっていた。

 そして、俺よりも近い位置にいた亜紀にゴーレムたちは標的を向けたということなのだろう。


「なるほどな」

「なるほどじゃないでしょうがああああああああ!」


 亜紀はそんなことを大声で言いながら、向かってくる。

 こうなってしまうと、やることは決まっている。


「逃げるか」

「ちょっと、こいつらをなんとかしなさいよ!」

「ああ、だから逃げるんだ」

「ああ、もう……ふざけんなあああああああ!」


 亜紀の絶叫とともに、俺たちの後ろには、ゴーレムの大群が押し寄せる。

 俺たちを必死に追い続けるゴーレムたちは、我先にと攻撃をしようとしてくるせいで、ゴーレム同士で攻撃が当たる。

 それによって、バランスを崩したゴーレムが倒れ、それにつられるようにしてゴーレムが倒れる。

 こういうことを言っていいのか、わからないが、完全にあれだ。

 追い求めるものは同じなのに、気づけば仲間割れのようなことになってしまったときに起こる、俺たちのようだ。


 ああ……

 発売日に、ゲームに群がっていた昔のようだ。

 などと考えながら、俺たちは必死に走っていくのだった。


「絶対に後で絞める!」


 亜紀のそんな物騒な言葉を聞きながら……

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

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