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だからこのゲームは間違っている  作者: 美海秋
このゲームの回復薬は間違っている

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28/63

2-3ゲーム目 回復薬の製作成功率を上げる方法

 人の目がないであろう場所で、俺も作業台を展開する。

 このゲームの製作については、作るものによって、ほんの少し作り方が変わってくる。


 例えば素材を使い素材を作る場合は、組み合わせていく。

 武器や防具を作る場合は、ハンマーで叩くというもので、全てのものに専用の動きがあればよかったのだが、NPCがまともにAI処理ができていないことからわかる通り、回復薬などの薬というものも作ることができるのだが、作る工程は全て同じで、フラスコのようなものに入れてガラス棒で混ぜるだけなのだが……


「まずは普通に作ってみるか」

「普通って、さっき周りがしてたみたいな?」

「そうそう」

「別に、見てたからいらないけど」

「そうか?」

「うん。だって、何度も見るのは面倒くさいじゃん」

「まあ、そうなのかもしれないが……」

「だったら、いいでしょ?そもそも、違ったことするんだったら、さっさとするほうがいいでしょ、人が来る前に」

「そうだな。とりあえずは、普通に薬草を入れる」


 俺はフラスコにさっき採ってきた薬草を入れる。

 普通であればあとはここに、水を入れれば完成だ。

 回復薬を作るために効果を高めたり、失敗しないために必要なことというのは、わかっていて、使う素材がどうかというが一番の問題だった。


 実際に素材を入れた後は混ぜるだけなので、そこに関しては誰がやっても同じだろう。

 たぶん……

 では、次に素材を良くするために必要なことと言われているのは、厳選だ。

 薬草だったり、水だったりを厳選して使用することで、いい回復薬を作ることができるというものだった。


 では、俺のやり方はというと……

 いつもの穴をついたやり方だ。

 重要になってくるのは、紹介していたすり鉢だ。

 これを扱うことによって、よりいい回復薬を作ることが可能になっている。


 まずは、薬草の一部をすり鉢にかける。

 ごりごりと力を込めて潰していくと、薬草は当たり前だがつぶれていく。

 そして、ここで一つのことが起こってくる。

 それは、潰した薬草から汁が出ていることだ。

 潰せば潰すほど、その量は増していく。


「ねえ、これって」

「お、やっぱりわかるか?」

「当たり前でしょ?これを見て、何をしたいのかわからないのなら、それはバカでしょ」


 亜紀が考えていることというのは、正しい。

 俺がこれからやることというのは、本来であれば綺麗な水を素材として使うはずだったが、今回は水の代わりに、この薬草を潰して出た汁を使うことになる。


「じゃ、混ぜていくか」


 薬草を入れていたフラスコに汁を放り込み、混ぜていく。

 二つが混ざり合ってできたのは、緑色の液体。

 そう、回復薬だった。


「成功だな」

「簡単にできたわね」

「だな。普通なら、簡単にはできないからな」

「そうなの?」

「ああ、一応成功率は普通の作り方で三割くらいだな」

「じゃあ、今やったやり方は?」

「おおよそ、九割だな」

「え?完全にバグじゃん」

「だから言ってるだろ?いろいろヤバいやり方だってな」

「そこまでとは思わないからね」

「まあな、じゃあ、ちょっと量産していくか」

「仕方ないわね」


 こうして俺たちは採っていた材料で、回復薬を作っていく。

 少しの時間で二十個ほどの回復薬が完成した。


「よし、十分だな」

「そうなの?こういうのって、もっと作るイメージがあるんだけど」

「素材がないから仕方ないだろ?それに、まだまだやることがあるからな」

「やること?」

「ああ、やることだ」

「嫌な、笑みね」

「まあ、夜なるまで待つか」


 そうして俺たちは夜になるまで待つと、再度薬草が採れる場所へとやってきた。

 昼間に結構採られたこともあり、薬草は一部分なくなっている。

 数日たてば、また採取可能にはなるが、そんなに待つのは面倒くさい。

 そこで、これだ。


「ねえ、もしかして」

「ああ、そのもしかしてだ」


 俺は、薬草が生えていた場所に回復薬をドバドバとかけるのだった。

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

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