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だからこのゲームは間違っている  作者: 美海秋
このゲームのストーリーは間違っている

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19/63

19ゲーム目 嫌な予感

買い物をした俺たちは、いくつかの製作を終えると、レジェンドゴブリンの捜索を開始した。


「どこにいると思う?」

「洞窟じゃなかったの?」

「そうなんだよ。問題はどっちかだな」

「面倒なら、攻撃してみる?」

「いや、どうしてそうなるんだよ」

「冗談、冗談」


亜紀はそう言って笑うが、本当にやってしまうと、少し前の二の舞になってしまうことは明白だった。

あのときは、出口がどこなのかということがわかっていたからよかったものの、今回に限っていえば、どこが出口なのかわかっていない以上は、崩されると困るからだ。

そもそも、攻撃が強すぎる亜紀には少し大人しくしてもらうしかない。


「作戦はさっき話したことでいいな?」

「作戦というよりも、対処法じゃなくて?」

「まあ、そうともいうな」


俺はそう言葉にしつつも、少し前に話していた作戦のようなものを思い出す。

今回レジェンドゴブリンを見つけたときにどうするのか?

状況にもよるが、基本的に逃げることになるというのは決まっている。

なんで逃げるのか?

それについては、逃げたいからだ。

名前からして強すぎる相手だということはわかっているので、無理をしないというのが、今回だ。


「本当に攻撃するなよ」

「わかってるって、あたしだって、また走るのは嫌だもん」


亜紀はそう口にするが、急に脳筋になってしまうこともあるので、注意することに越したことはない。

警戒をしながらも、一つ目の洞窟へと入っていく。

入ると、すぐに地上の洞窟とは全く違う違和感というものを感じた。

それは、まず光る苔のようなものがあることだ。

他のゲームではよくあるものではあるが、俺はアイテムとして採用した覚えがないものだった。

そもそも地下都市なるものも存在するはずがないものだったので、ここにある全てが俺の知らないものになるわけだが……


「これは何かに使えるの?」

「そうだな。どうせなら、あれを作っておくか」

「あれ?」

「ああ」


俺は、光る苔の一部を採取すると、それを使ってあるものを作っていく。

できたものを確認した俺たちは探索に戻った。

洞窟の中というのは、もっとモンスターがいるものだと思って警戒をしたいが、あまり出くわすものではなかったし、多くはネズミのようなもので大きさもあまりない。

そもそも地下都市がどういうものかわからなく、この洞窟もなんなのか、全くわからない状態なので、余計にそう思ってしまうのかもだが……


「狭い……」

「だな……」


俺たちがお互いにそう言葉にしてしまうくらいには、洞窟は狭かった。

だからか、出会うモンスターも、さらに少なくなった。

ネズミのようなやつらも、奥に進んでいくにつれて、徐々に少なくなっている。

こうなれば、考えられることは二つだ。

一つは行き止まりになていること、もう一つは、弱いモンスターがいなくなるほど強い存在がいるというものだ。


「どう思う?」

「進んだらいいんじゃないの?」

「いや、それにしたって違和感しかないだろ?」

「そう?こういうのって、ゲームならよくある展開だって、いつも言わない?」

「それはそうなんだけどな」


亜紀の言いたいことはわかる。

だが、忘れているようだが、一応デスゲームになってしまっているのだ。

そうなると、少しくらいは慎重に行動をするというのも、理解してほしいものだ。

ここからはさらに警戒をしないといけない。

俺は、光る苔をその辺にある石と一体化させると、奥に向かって放り投げる。

一番細くなった先から出た光る苔石は、すぐに何かに潰されたのか光らなくなってしまう。


「なあ……」

「何よ……」

「絶対いるよな」

「そうね」


予想通りと言っていいのか、ここを抜けた先にレジェンドゴブリンが存在するのだろう。

このことを知らなくて頭をもし出していれば、一発でやられていたであろうことを考えると、用心した自分を褒めたかった。


「じゃあ、姿だけを見たら、逃げるか」

「そうね」


俺たちは、レジェンドゴブリンがどんなものなのかを見るべくいるであろう場所に向けて進み始めたのだが、そこで違和感に気付く。


「と、止まれ!」

「何よ……」


俺の言葉に亜紀は不思議そうにしながらも、進むのをやめて、立ち止まる。

そして、俺は口元に手をやる。

静かにしろというジェスチャーだ。

すると、何かが聞こえてくる。

ドシン、ドシン……


「これ……」

「来てるね」

「「にげろ(にげよ)」」


俺たちは互いにすぐに状況を理解すると、後ろに下がる。

だが、レジェンドゴブリンと思われる存在は、俺たちの音が聞こえているのか、足音が近づいてくるのが速くなる。

やべ!

俺たちは、何度目かわからないが、逃げるべく走り始めたのだが、足音はさらに勢いを増すのだった。

読んでいただきありがとうございます。

よければ次もよろしくお願いします。

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