10ゲーム目 普通のプレーヤーたち
メインストーリーを進めていたプレーヤーたちは、ほとんどがチュートリアルをしっかりと受けながら、一つ一つの工程をクリアしていっていた。
面倒なことといえば、何をするにしてもクリエイティブ。
ものを作り、それでしかできないことくらいだろう。
だが、いろいろなものが作れるということは、やれることが一つではないという意味であり、たくさんの素材が集まり始めるとできることが増え、プレーヤーたちも少しの楽しみを持ちながらも、速く確実にこのゲームをクリアするために動いていた。
だからこそ、一つ目のメインストーリーというのも普通にクリアを目指していた。
「いいのか、こんなところで」
「ああ、ミーティング通りだ」
「四つに分かれて、ゴブリンマジシャン狩りか」
「じゃないと、ゴブリンキングがいる場所がわからないからな」
「確かにな」
メインストーリーである、ゴブリン退治。
最終目標は、ゴブリンの王を倒せとなっている。
そのためには、ゴブリンキングの部下であるゴブリンウィザードたちを倒すことによって、場所がわかり結界が解けることになっている。
そんなゴブリンウィザードたちを倒すために、結成されたのが今回のメンバーだった。
総勢でいえば五十二人。
四つに分かれて、それぞれのゴブリンウィザードを倒すことになった。
だけどだ……
「すごい音がしてきてみれば、どうなってんだ?」
「聞いても誰もわからないな」
大きな音が聞こえて慌てて集まった攻略組であるプレーヤーが集まった。
そこにあったのは、崩れ落ちた洞窟だった。
どうやったらそうなるのかはわからないが、完全に崩れてしまっていた。
最初はゴブリンキングがここにいたのかと疑問にはなったが、ゴブリンウィザードを倒した際に示した場所というのがこのあたりであり、さらには崩れた洞窟の近くには見たことがあるトーテムが壊れていた。
「なあ」
「言いたいことはわかる」
この攻略組のまとめ役とそれをサポートしていた男二人は、何が起こったかがなんとなくわかった。
トーテムに当たるように一本だけ木があることを考えても、外からなんらかのことをやって、ゴブリンウィザードを倒さなくてもトーテムを破壊したということなのだろう。
それに、どういう攻撃をしたのかはわからないが、洞窟も崩れている。
「爆発系の作るものがあったってことか?」
「どうなんだろうな?今でも何かを掛け合わせたら新しいものができているからな」
「はあ、知らないところで物語が進んでいく。ゲームとしては普通のことだな」
「確かにな。下手に攻略組とかやるのは間違っていたか?」
「でも、デスゲームになってるんだぞ?実際に、死んだ奴らは一度も見てないからな」
「だから、安心安全にか……」
攻略するうえで、一番いいと思っていたことだったが、実際にはそう考えないやつらもいたということになる。
デスゲーム。
普通のプレーヤーであれば、一つ一つ手探りで行っていく。
そうではないとなると……
「一回このゲームを途中までやったやつとかか?」
「何を言ってんだ?」
「いや、独り言だ」
男たちは二人でそう言葉にしたところで、今度は滝のほうが爆発のようなことが起こってさらに焦るのだが、結局のところ、それを起こした犯人というものを見つけることはできないのだった。
そして、起こした犯人たちはというと、新しい町に来ていたのだった。
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