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前章のあらすじ/登場人物

第一章『幻影』のあらすじ


 冬雪夏生三等工作員が特別情報庁に加入してから半年が経過した神暦五九八二年五月、彼は養女の冬雪幽灘を、精霊自由都市共和国群の首都ギルキリア市の初等学校に編入させる。ほぼ同時期に魔道具屋としての自営業も開始。国家公務員の工作員に自営業の魔道具屋という相反する二足の草鞋を履く彼は、スパイチーム『幻影』の戦闘要員として地位を得る。(第一話 三等工作員『呪風』の任務)


 それから数日が経過した頃、幽灘を公園に連れ出した冬雪は、アントニーとアネッタの二人と出会い、幽灘は彼らと親しい間柄になった。一方で冬雪は一人の大天使と遭遇。彼女はクリスティーネ・クルーザ、天使名クリーシスと名乗り、冬雪を監視するために来たと話す。彼女に別の目的があることを悟った彼は、その真の目的を探り、やがてそれが冬雪と同じ、堕天使イヴリーネを倒すことだと知ると、冬雪はクリスと協力関係を結ぶことに成功する。(第二話 天使再来)


 共和国の経済界で大きな影響力を持つシャロン財閥の会長、アデラール・シャロンに、他国のスパイに情報を売っている容疑がかかった。『幻影』のボス、アルベルト・トパロウル一等工作員にシャロン邸への潜入を命じられ、冬雪は魔道具屋を休業して使用人として潜入。令嬢フレデリカ・シャロンがアデラールに不信感を抱いていることを突き止める。(第三話 使用人)


 フレデリカは冬雪をアデラールの行動を暴くための味方として目を付け、彼女の専属メイド、ルナ・アルテミエフを交えて談笑。冬雪を取り込むため用事を言いつける回数を増やしていくフレデリカだが、冬雪はそれに乗じて情報を集めていく。アデラールが連邦のスパイと取引を行う旨情報を入手すると、冬雪は帳簿を証拠として押さえ、アデラールとスパイを拘禁。司法省公安外局の仕業に偽装し、シャロン邸を去る。(第四話 売国奴)


 ギルキリア市の川に、変質者が出るという情報が流れ始めた。その情報を受けて巡回を行っていた警察官が河川敷で襲われ、拳銃を強奪される事件が発生。冬雪が事件を探り始めると、河川敷周辺の雑木林に潜む彼の前に問題の不審人物と思われる男が現れ、閃光弾で冬雪を無力化し、目の前でアントニーとアネッタを誘拐してしまう。身代金を要求する犯人との交渉を『幻影』が誘導し、冬雪は呪術魔法の技術を用いて犯人を追跡、辛うじて拘禁に成功する。(第五話 河童事件)


 変質者もとい誘拐犯の正体が他国のスパイの協力者だったと知ると同時、公園に一人の少年が現れた。帝国語しか通じない少年に冬雪は話しかけ、幽灘やアントニーたちの仲間に加える。少年の父親が現れると冬雪は彼とも友好的に接触しつつ、その正体が帝国のスパイではないかと推察。アントニーとアネッタの住む家に彼を発見し、拘禁した。(第六話 帝国少年)


 警備の堅牢な司法省舎に侵入者があり、陸軍情報部が拘束した。その侵入者を陸軍から引き取りに冬雪が派遣され、侵入者の少年ルイを『幻想郷』に連れ帰る。彼は司法省舎に侵入した理由を、姉ウェンディが冤罪で警察に逮捕され、捜査情報を調べるためだと説明。ウェンディが『七星』という防諜工作員の協力者だと判明すると彼女も『幻影』に加入する。(第七話 銀髪姉弟の冤罪)


 ウェンディが逮捕されたのは、『七星』の行動を妨害する工作だったと結論づけられ、任務を『幻影』と協力して行う。処分対象の暗殺者組織の一員を追っていた『七星』と情報を共有し『幻影』の工作員も捜査に出るが、そのうち二名が反撃に遭ってしまう。反撃を受けた二名の持ち帰った情報から敵を再度捜索し、居場所を特定。拘禁のため戦闘要員として冬雪が送られ、拘禁に成功した。(第八話 銀髪姉弟の真相)




主な登場人物一覧


冬雪(ふゆゆき)夏生(なつき)

 本名細川(ほそかわ)(ゆう)、元日本人魔力使用者の転生者。『呪風(のろいかぜ)』のコードネームを持ち、共和国諜報機関特別情報庁のスパイチーム『幻影(げんえい)』に所属する三等工作員。表向きには若き魔道具屋の店主として通っており、首都ギルキリア市に魔道具屋を置いている。魔術魔法、精霊術魔法、呪術魔法いずれも扱うことができる、魔法の天才。


冬雪幽灘(ゆな)

 元日本人の少女。雪崩に巻き込まれて死亡したのち、幽霊の期間を経て、冬雪のギルキリア移住を機に転生者となる。法律上は冬雪の養女扱いで、被保護者。


平井零火(れいか)

 日本人の雪女。幽儺の姉であり、冬雪が日本に残した協力者として『姫風(ひめかぜ)』のコードネームを持つ。冬雪と幽灘に会うため、かなりの高頻度で共和国を訪れる。


岩倉(いわくら)美花(みはな)

 本名不明、元日本人の女性。『白兎(しろうさぎ)』のコードネームを持ち、『幻影』に所属する三等工作員。表向きには私立探偵として通っており、首都ギルキリア市に探偵事務所を置いている。公安警察の協力者だったが情報に深入りしたため死亡し、転生者として共和国で生きることになった。


ヴェルナー・アイスナー

冷鳴(れいめい)』のコードネームを持ち、『幻影』に所属する三等工作員。ギルキリア地方工業大学の事務員として潜伏し、主に国内の防諜を行っている。魔術魔法の適正はないが、精霊との親和性は多少ある。愛妻家。


アーニャ・イルムガード・アイスナー

烈苛(れっか)』のコードネームを持ち、『幻影』に所属する三等工作員。主に帝国での任務を受けるが、国内の任務を手伝うこともある。夫と逆に、魔術魔法の適性が比較的高い。


アルベルト・トパロウル

断狭(だんきょう)』のコードネームを持ち、『幻影』を束ねる一等工作員。まだ現役で動けそうな屈強な体を持っているが前線に立つことはほとんどなく、基本的に『幻影』の拠点である『幻想郷(げんそうきょう)』の執務室で部下のサポートをしている。


クリスティーネ・クルーザ

 天使名クリーシス、大天使。堕天使イヴリーネ討伐のために差し向けられた天使が消息不明になったため派遣され、三等工作員に昇進した冬雪に合流。ギルキリア中央公園によく現れ、協力関係を結ぶ。


アネッタ・スチュワート

 ギルキリア中央公園によく遊びに来る少女。幽儺の友人。


アントニー・スチュワート

 ギルキリア中央公園によく遊びに来る少年。幽儺の友人、アネッタの兄。


グレゴワール・スチュワート

 アネッタとアントニーの父。共和日報ギルキリア本社の政治部部長。


シルヴィ・スチュワート

 アネッタとアントニーの母、グレゴワールの妻。共和日報ギルキリア本社の社会部編集長。


ヨーゼフ・アップルトン

 父親の仕事でギルキリアに引っ越してきた少年。帝国出身。父親が特別情報庁に拘禁された後は、孤児院に預けられる。


ウィルヘルム・アップルトン

 ヨーゼフの父、帝国海軍省情報部の諜報員。『河童』を操っていたことが露呈し、冬雪に拘禁される。


ルイ・シルバーベルヒ

 司法省総合司法局に侵入した少年。条件を付けて『幻影』に加入し、『銀風』のコードネームを得る。冬雪に魔法を教わるため弟子になり、師匠と呼ぶ。


ウェンディ・シルバーベルヒ

 ルイの姉、特別情報庁防諜工作員の元連絡係(メッセンジャー)。冤罪で警察に逮捕され特別情報庁の口利きで釈放されたものの行き場がなく、ルイとほぼ同時に『幻影』に加入する。


アデラール・シャロン

 シャロン財閥の会長、シャロン家当主。連邦のスパイに情報を売っていたため、屋敷に潜入した冬雪に拘禁される。


フレデリカ・シャロン

 アデラールの娘、シャロン家令嬢。アデラールの拘禁を機に財閥を解体。魔石を取り扱う小さな子会社だけの社長になる。


ルナ・アルテミエフ

 フレデリカの専属のメイド。フレデリカに心酔。


セオドア・ヴェルニッケ

 シャロン邸の若い使用人。新人使用人ホルト・グランテールとして潜入した冬雪の教育係になる。


ミハイル・フォン・ディークマイヤー

 ディークマイヤー造船社社長。アデラールとは旧知の仲。


フロップ・トーマ・フォン・ディークマイヤー

 フレデリカの婚約者、ミハイルの息子。

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