眠れない夜に
考え事が頭から離れず、夜が過ぎてしまう。
本を開き、文を読む。でもあくまで眺めているだけで全く頭に入らない。これで読んだ気でいて、そのページに栞を挟むと次読むときに何が何だか分からなくなるのでそう言う時は読んだ(眺めた)ページは進まないようにする。
本を閉じ、目を瞑る。
まだ頭の片隅に残る。そして眠れない。
次に音楽を聴く。クラシックや歌詞のない音楽を寝る前に聴くのが好きなのでそれを流す。
雄大な気分になり心が落ち着く気がする。
けれどまだ残っていて、睡魔は多くはないが出てきた。
あともう少し。
妄想をしよう。芸能人とばったり街で出会ってなんだかんだありご飯に行き良いムードになる。なんて、想像する。このまま夢の中でも繋がっていって欲しい。
うとうとしてくる。考え事も落ち着いてきた。
夜は長いようであっという間なんだ。
考え事で時間を費やし過ぎてはもったいない。
音楽が効いてきた。心地よい音が広がる。夢との境界に入ったみたいだ。
橙色の照明の光に包まれ眠りにつく。
「よく眠れるように」と頭の中で最後に思い、私は眠る。