【私】2話=1話
父は自分勝手で、気に食わないことがあると私と兄に暴力を振るう。
母は父とは違い、私達に愛情をくれる。
兄は父に似たのか、父からの怒りを私に振るう。
私は父に嫌われないようにいい子ぶる。
それが私の小さい頃の日常
物心ついたころかな。
私は母に暴力を受けている事を母に伝えた。
母は知らない。
だって父や兄は母がいないときに振るうのだから
母は驚いた顔をした。
....フリだと思うけど。
「母は知らない」これは嘘だ。
前々から母はこのことを知ってる。
私が暴力を受けていることを。
それもそう、ある日、仕事が早びいたとき
父は兄を殴って..殴って..いたのだから。
その現状を相談しても、母は『あとで、言っておくわ..』と
言う始末。言ってないくせに。
そこを除けば、母は完璧な母親だ。
美味しいご飯、私達の世話、とくに本の読み聞かせが好きだったのかも知れない。
本当に..
こんな、ちぐはぐな日常が私の生活。
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高校入学後のころだっけ。
私とあなたが親友とは言えない友達とも言えない
私たちが人見知りで、お互い距離をおいてた頃…
今ではありえないよね。
あなたは私が欲しかった家庭環境をもっていて、
両親、弟さんとも仲がよかったね。…私は羨ましかったのかな。
ううん。私の憧れだったのかもしれない。
あなたは周りの女の子とは違って
どんだけ仲が良くなっても人の容姿や性格の悪口を言わなかったよね。
あ!そういわえば、コンビニのセクハラ客に、
『失せろ‼クソじじい!!!!』と暴言吐いた時
私、笑ってしまったよ。
あなたにも、その感情があることに..ね。
そのあと、店長が来て私たちがクビにされたよね。
あれ、ほんと意味わからなかったよ。悪いのはあのジジイなんだから。
そのあと、少しだけ見えなくて見えそうな心の部分を見せてくれたよね。
あなたは『クソ野郎にはクソを。』が口癖で…
だけど、あなたは私に隠し事をしていたよね。
私の兄と付き合っていることを…
ーーーーーーーー『ねぇ なんで言ってくれなかったの?』ーーーーーーーー
私は、嘘をついた。薄々分かっていたこと。
『それは…』親友は下を向いたまま…小さく言う。
だって私は兄のスマホを覗いてしまったのだから。
『妹のあなたが…悲しむかな~って……』と親友は言う。気遣ってくれたのだろう。
だって、だって! 教室でひとりになるのが怖かった私が
あなたと近づくために、偽りの兄の話をしたから。
だけど...だけどね…。
あなたを傷つけてしまったよね。
あなたは、私の兄に…暴力を受けてしまったのだから。
そうでしょ。美笑ちゃん!……………
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それは暴力を受ける1日前の出来事だ。
私の兄は、美笑ちゃんと接する際は私の言った偽りの兄に酷似していたのだ。
美笑ちゃんは『もうちょっと早く来てほしいな〜』と兄に伝えた。
だけど、兄は兄。気が小さく短気な兄は、とうとう本性が出てしまった。
『俺がもっと早くこいってことか!!?』
『いや、そうじゃなぁk…t…』
『お前に、いくら出したと思う!!!』
『あのね……』
『なぁ!!20分,30分待たせて。何が悪い!!それぐらい待てるだろ!!!』
『お前はいいよな。女だからだって毎回奢ってもらえるからなっ』
人とは、このようなものなんだろうか。
自分が不利になったら、何かと紐づけて罵倒する
その繰り返し。
『違…う…』小さい声の否定
『なに?』
『私は..私は!!あなたと平等な関係でいたかった!!!
私だって、何十回も 奢ろうとしたよ!!
だけど…あなたは……あなたは!自分の意見を無理やり !!!
押し込んでるだけで!!!私の意見なんか聞いてくんないじゃん‼』
「ねぇ…もう一度聞いて…あなたは私の意見を聞いたことは、ある?…大我さん…』
兄は、なにも言い返せなかった。
怒りというものは、認めたくとも、認めたくはないから。
自分を否定する。選択肢がないから。
兄は美笑を殴った。
美笑は泣いた。泣きながら走った。
走っているのに、ゆっくりに見えた。
カバンを投げ捨てて走った。
でも、ゆっくり走っているように見えた。
これが恐怖ということを美笑は感じとった。
兄は、追いかけるものの
そこの現場を見ていた男性に捕らえられた。
ーーーーーーーーーーーこの ことは大きく発展したーーーーーーーーーーー
兄は一時的、警察に捕まった。
そのあと
美笑ちゃんの家に警察が事情聴取に来た。
警察からの話から美笑の両親は、私の家に賠償を要求してきた。が。
美笑本人はそれを拒んだ。
私との関係を壊したくは、なかったんだろう。
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『ねぇ なんで言ってくれなかったの?』
『それは…』
『…』
『妹のあなたが…悲しむかな~って……?』
その愛想笑い。顔には湿布で隠れた腫れている顔。なんでそこまで…
『ごめんね』
『いいのよ。お兄さんのことだから』
『ううん、違うの…私はあなたに嘘をついてしまったの』
美笑は驚いた顔をした。
『私があなたに、偽りの 兄のことを 話していなければ…』目が熱い。
『こんなことにはならなかったのよ‼』もう、この関係も終わり。
『ごめんね。美笑ちゃん..』ありがとうね。
その瞬間
美笑は、私を抱きしめてくれた。
顔は、腫れて痛たいくせに。
私を抱きしめてくれた。
『私はね。うれしかっただよ!中学生の頃は私ずっとひとりだったもん!!
だけどね、だけどね!!あなたは、私に、話しかけてくれた!
本当に、うれしかった。嘘でもいい。また一緒にお話しよ!!』
私とは断然に違う。見ている世界が違う。
私も小さい時からひとりだったから。
どこで間違えたんだろ。私は。
兄の暴力が増えた時?母の愛情が減ってきてる時?
いつから?
似ているようで似てない人生。
美笑ちゃんの人生はどのような世界が見えていたのだろうか?
親の愛情でもない、なにかがある。
いったい 私は、いつそれを見落としてしまったんだろう。
↓
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↓
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あれから1年が経過した。
事件いらい兄と父はどこかへ行ってしまった。
電車が発車する音。
人々の声。
(あれ何口だっけ)
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MIEp
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[ねぇねぇ何口に集合?]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[公園口でいいかな??]
[そこだと! ]
[美術館近いだよ‼ ]
[てか⁉もう着いてる? ]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ [りょうかい~ ]
[着いているけど ]
[焦らんといて~ ]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[本当にごめん‼ ]
[スタバ寄ったら、 ]
[空に向かって飛ぶね‼]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
[焦れよ]
[あと空飛ぶな]
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
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今日は珍しく美笑が遅刻だ。
(その間なにしようかな)
(あ…)
(刃物専門店)
(聞いたことあるけど。)
(入ったことないんだよな~)
(ちょっくら入ってみよ)
そこには、多くの包丁が並んでいた。が、どれも高い。
『18000円!?買えるか!!……と普段は言う私、
だが今日の私は違う…財布に彩りがあるからな!!』
『おじさん、この11300円の包丁ください!』(さすがにムリ)
『あいよ!!』
(ふふーん~良い買い物ができたぞー)
『プルンッ!!』着信音だ。
『【どこ~???】』美笑ちゃんからだ。
『やべ、30分も経ってる!!』
『【今、急いで行く!!】送信とっ‼』
私は、走って公園口の前に来た。
だが人が多すぎて見つからない
と思ったら、すぐにわかった。
「あ!美笑ちゃん!!』
私は手を振りながら*大きい声*で言った。
美笑ちゃんは少し怒った表情で近づいてきた。
『ねぇやめてよ!!その呼び方‼』
『ごめんごめん』
『ねぇ美術館よりもさ、スイーツ店に行かない?』美笑が問う。
『いいけど、美術館は』
『別にそこまで急いで行くもんでもないし、
あと、このクーポンで安く買うんだから‼』嬉しいそうな顔。
『んじゃ、今回は私が奢ってやろう~、さっきの事もあったし』
『えつ⁉ホント‼何にしよ〜」やっぱり美笑ちゃんは変わったな。
1年前は、どこか寂しげな表情をしていたが
今の美笑ちゃんは元気一杯の女の子。
『着いたよ‼』
店に入った
『ねぇねぇ、なに食べる?』美笑ちゃんは目をキラキラさせる。
『このブドウとマスカットがのったパイとかどう?』
『じゃあそれにする!』
『あのこれ二つください。』
『少々お待ちくださいー』
『んーお土産にバームクーヘン買うか。』
(たまには、お母さんに顔ださないと。)
『いただきますー!』美笑ちゃんが食べ始める
(さすが、まぁまぁの高級店…食べやすいように手袋まである。)
(いや待て。パイでもホークとナイフじゃね?)
(初めてだよ、こんな店…)
そう思ったら、美笑ちゃんがパイのブドウを落とした。
お気に入りの白いロングスカートに…
『あ。』
『あ。』
『少し洗ってくる~!!』と行ってしまった。
美笑ちゃんが言ったあと、メガネをかけた大学生ぐらいの男性と
兄が入って来た。
(美笑に連絡しないと…)
(体が震えてうまくスマホが取り出せない。)
(早く…はやく…しないと…)
椅子を引く音
兄は、私らの斜め右前の席に座った。
私から背中を向いて座っている。
私に気づいてないようだ。
(スマホを取り出した。)
ーーー気づいていない?ーーー
(スマホはカバンにしまった。)
頭の中で過去の思い出が蘇る。
殴られ、蹴られ、美笑の腫れた顔…
そこからは、無意識だ。覚えてもいない。
目、いや、意識戻ると兄?は刺されて倒れていた。
だけど無意識の途中、私が刺した直後の兄の顔が見えた気がする。
その目は優しかった。
そんな目…兄は絶対に…しない。
私は逃げた。
まさか、自分が人を刺してしまうなんて…けしてあの兄だとしても
私は逃げた。
あれは、本当に、兄だったのか?
私は逃げた。
頭がこんがらがってうまくまとめられない。
私は逃げた。
もし兄ではなかったら。私は…私は…
私は…これから、どうすればいい?ねぇ…美笑ちゃん…
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あれから、7年と半年経った。
わたしはまた、親友に嘘をついてしまった。
あの時私は【犯人に襲われそうになったから逃げた】と言った。
犯人は私なのにね。だけど面白いことに、
犯人は私だと気づかれてはいないみたい。
運良くカメラに顔が映らず
映ったとしても、ボケて手掛かりが見つからなかったらしい。
逃げ切った。
そういえば、私が殺した人は兄だそうです。
あの兄を殺したとはいえ悲しみも喜びもないです。
ですが、私は、あれは本当に兄だったのか。疑問に思います。
ただ、逃げているだけなのかも…
(ごめんね。私は親友失格だよ。あれからなんも変わってないな。)
美笑ちゃんは今なにをしているんだっけ。
『あれ以降あまり会えてないからなー』
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夜。近くのコンビニでの帰り道の途中
私はある不気味な男性に声をかけられた。
『少しいいですか?』
ーーーーー私は震えたーーーーー
その男性はあの兄と一緒にいた、親友なのだから。
また私は逃げた。
私は逃げた。
私は逃げた。
私は逃げた。
私は逃げた。
私は逃げた。
私は逃げた。
私は逃げた。
私は逃げた。
逃げた。
逃げた。
逃げた。
逃げた!
『こっち!!!』
逃げた。
声が聞こえた。
逃げた。
その方向へ
逃げた。
その顔
逃げる。
その立ち振る舞い。
逃げる。
笑美ちゃんだ。
逃げる。
倉庫に着いた。
ここで隠れ、状況が整え次第脱出するそうだ。
笑美ちゃんは言う。
『逃げ切った…』と思った瞬間
笑美ちゃんは固まった。
後ろを見る。
そこには。あの男性が居た。
片手に刃物を持っている。
ありえない
死にたくない
逃げるようにもどちらかが死ぬ。
扉は分かるだけでも一つしかない
そう考えていたとき、
笑美ちゃんは刺されていた。
男性は混乱していた。
腕で頭を抱え込み泣いていた。
『今のうち逃げて..』
言い返せたかった。
だけど。私は逃げた。
運よく別の扉を見つけた・・・
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サイレンの音だ。
聞きたくもない…
ーーーーーーーーーー
数日後
警察が家に来た。
私はなんて最低なんだろうか。
『知らない男性に追いかけられて親友がかばってくれた。』
ごめんね。怖いんだ。私は。
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あの男性は捕まったものの
「ひとこともしゃべらない。」とアナウンサーが言う。
それ以降はテレビをつけてないから知らない。
その後も私は震えながら生活をする。
それが…それが私の日常だ。
ーーーーーーー10年後ーーーーーーーーー
私は交通事故で命を落とした。
目を開けると、そこは暗闇の中だった。
怖かったけど。
『はは..仕方ないか。これは、ただの天罰なんだから』
だけど、一瞬、光が見えた気がする。
もし私が事故で死んだ。道路にいるのなら、
あそこは、親友が死んだ場所だ。
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『やって、やったぞ。へへっ。はははははははwww』
『わたくしの家庭を壊した奴を…ついに!!やってやったぞ!!!!』
男は、車の中で叫びながら笑っていた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
【私】から読んでくださった方、最後までお読みいただきありがとうございます。
次回は【僕】の方を読んでくださると嬉しいです。
あの男性はなぜ?犯人が分かったのか??
【僕】の読んだくださった方、ここまでお読みくださりありがとうございます。
謎は解けたのでしょうか?なぜ犯人は僕の親友との縁があったのか。
次回4月中に【探偵】をだす予定です。ぜひまた読んでくださったら嬉しいです!!
誤字脱字 アドバイス 感想 お待ちしております。