6話 蒸し料理 プディング 15
「どうしたんだい?…少し落ち着きなさいな。」
と、ケリーが質問しながら、宥める様に喋りかける。
「あ、赤ちゃん!…私の、…赤ちゃん!…待ってるの!…行かないと、……!」
それでもリリャーは同じ行動を何度も繰り返す。寝かされる度に起き上がろうとするも、うまく力が入らずに体勢を崩してしまう。
「リリャー!…落ち着いて、」
アニタも堪らず制止を促し、リリャーの背中を支える。
さらには、ばあ様も前へと出て、ベッドに近づいてきた。
サーラも後を付いて来て、傍らに立っている。
すかさず、ばあ様は問いただした。
「…あんたの子供は、そこにいる娘が背負っている赤子かい?」
「……は、…はい!……」
とリリャーは、答えた。サーラの背中の赤ん坊の顔を見て、何度も頷く。
その様子に、ばあ様は溜め息を吐きつつ、諭す様に語り駆け出した。
「…この娘に感謝しなさいな。…村で一番に赤子の世話をしてくれていたんだよ。…だから、こうして病気も怪我もなく、五体満足で健康な状態のままだわさ。…寧ろ今は、あんたの方が弱っているさね、何か食べれるなら、胃に入れないといかんさ。…だから大人しくしんさい。」
「……わ、わかりました。」
とリリャーは、ようやく大人しくなったようである。
するとサーラも側まで寄っていき、「どうぞ。」とお盆の上の椀と匙を手渡した。




