6話 蒸し料理 プディング 1
空には夕陽が沈み始め、辺りが真っ赤に染まりだした頃である。
サーラは村へ戻ると、真っ先に広場を駆け抜けながら村長の家へと直行し、辿り着いてからも玄関の扉を激しくノックしだす。
扉が勢いよく開くと、村長が姿を現し、「なんじゃい、…って、サーラか。…何の用じゃ?」と訝しげに首を傾げる。
「あのね!…」とサーラも、荒い息を吐きながら辿々しくも、山での出来事を詳細に説明しだした。
「なんじゃと!?…それは事実か?」
「はい!」
「わかった。…婆さん、急患じゃ、…急いで来てくれ!!…ワシは皆に知らせてくるから!」
村長も話を聞いて迅速に動きだす。サーラと共に手分けし、村の中を巡り回る際に、大人達へ召集を掛けていく。話しは住人の間で、人から人へ伝わり続けながら、やがて瞬く間に全員の耳に知れ渡った。
そうして村の中は、かつてない程に騒然となる。
いつもなら家路に帰る頃合いだった。
だが普段の様相とは異なり、村人達は一斉に同じ方向を目指して、足早に歩いていく。
目指す先は、ハンター組合支部の平屋の建物である。
そのまま施設の中へと、多くのご婦人達が入っていく。
すぐさま支部の女性職員と共に、全員で治療の為の準備をしていた。




