5話 ポテトオムレツ 9
ふと人だかりを掻き分ける様に、後ろの方から親方が声を姿を現した。
「あ、親方!」
「ど、どうも。」
と二人は気がつくと、挨拶をする。
「おう、サーラじゃねぇか。…それとアニタもか。……お前ら、何やってんだ?」
と親方も返事をし、首を傾げながら話しかけてきた。
すぐにサーラが代表して、説明する。
「…あのね~、卵を取りにきたの。…食べたい料理があったから、アニタさんにお願いして一緒に来たの。」
「なる程な。…そいつと一緒なら大丈夫だろう。…だが用事が済んだら、さっさと帰った方がいいぞ。」
すると親方は話を聞くと、苦々しい表情をして忠告をしだす。
周囲のハンター達も、互いに顔を見合わせだす。
「…何かあったのかい?」とアニタは鋭い目付きになり問いただした。
次第に辺りには、不穏な空気が漂いだす。
やがて親方が喋りだした。
「狼だ。…どうも此処の山のどっかに、群れで入り込んだ様なんだ。…あいつら縄張り意識の高い奴らなのに、範囲を超えて彼方此方を彷徨いているみたいに、動いているんだよ。…ひょっとしたら弱った獲物とかを追い詰めているのかもしれん。」
「それは、不味いね。」
アニタも険しい顔で、頷いて同意する。




