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４話　野菜のポトフ　１３

　突然の出来事に、アニタも目を白黒させて、固まっている。

　それでも構わずにサーラは、顔を間近まで近づけ話をつづけていた。

　「…アニタさん。…今、良くない事を考えてるじゃろ。…駄目駄目スパイラルじゃろ。」

　「え？…いや、…駄目駄目スパイラル？…」

　「…そんな事ばかり考えてたら、ご飯が美味しく食べられないぞい。…アニタさんも元気がなくなるんじゃぞ。」

　「…そうかもしんないけど！…私は、本気で悩んで、…」

　「…それでも、まずは元気をつける為に、ご飯を食べよう。…ワシが簡単な料理や包丁の使い方を教えるから、二人で作ろう。」

　「……本当かい。」とアニタは弱々しくも、思わず聞き返す。

　対してサーラは静かに頷きながら、彼女の手を取って起立させると、釜戸の前に横並びになり本格的に調理を開始するのだった。

　「…まず私が野菜を切るから見ててね。」

　「…あ、あぁ。」

　とアニタも返事をしたら、作業の様子をまじまじと見ていく。