3話 蜂蜜の猪ステーキ 6
「おぅ、商人さん。…まだいてくれたか。…なら今日も、いつもみたいに仕留めた獲物の皮や牙なんかを買い取ってくれや。…今回のは大物だし、多少は色着けてくれよ。」
「は、はい。…まいど、ありがとうございます。…すぐに査定の準備をします。」
そう言われて、店主は馬車に戻って行き、作業の準備に取りかかりだす。
ほぼ同時に親方も振り返り、続けて村人達の方へと向き直ると、大声で語りかける。
「おぅ、皆。もう害獣は駆除したからな。…だから山も荒らされないし、おまけに今日は腹一杯に肉が食えるぞ!!」
次の瞬間には、周囲から歓声があがった。
広場の御婦人や、さらに玄関先に出ていた村人達からも、惜しみ無い拍手を送っている。
さらにサーラも笑顔を浮かべ、腕を振り乱して小躍りする。もう全身で喜びを表していた。
「うわぉ!!…親方、凄い大きさじゃん!!…」
「ふはは!…だな。…俺も早く食いたいぜぇ。」
「はい!!はい!!…ならさ、ならさ、親方!」
「あぁ?…なんだよ?…」
「もうすぐお昼になるし、お肉をガッツリと食べたい!…だから、凄い美味しい料理方法があるの。…是非とも食べない?」
すると続けて、彼女は興奮気味に聞いてきた。




