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3話 蜂蜜の猪ステーキ 5
「す、すまない、お嬢さん。…」
「え、…あ。…うぅん、…大丈夫よ。…此方こそ大声だして、ごめんなさい。」
「いやぁ、…今回は全面的に私が悪かったよ。…お詫びになんでもするから。…」
「いや、いや。…流石にそこまでする事じゃないし。…」
対してサーラも何度も頭を下げて謝罪の言葉を口にしている。
二人は互いに何度も謝り続いていた。
周囲の御婦人方が微笑ましそうに眺めながら、クスクスと小さく笑っている。
「お~い。…今、帰ったぞぉ!」
すると今度は、離れた位置から、聞き覚えのある野太い声が聞こえてきた。
広場の全員が振り返ると、両目を見開く程に驚きだす。
「うわぁ!…」
「でっかいわね!!」
その視線の先には、村のハンター全員が此方へと向かって歩いてきている。
先頭の大人達が大きく肥太った猪を抱えているようだ。
ハンター達は荷馬車の近くにまで辿り着くと、すぐ側の地面へと猪を下ろしていた。
さらに先頭集団から、親方が先んじて抜け出てくると、店主へと話しかけていた。




