間章 波乱の事件と再開 4
隣ではジョンドが話を聞いて、両手を振り乱しながら慌てふためく。
「はぃ?!…お待ちください、マーチス様!」
「そうですわ。…今しがたまで、具合が。…」
さらにジュスティーヌも、同じく取り乱していた。
すぐに二人は、必死に止めようとしているようだ。
しかし、ー
「なんじゃ、別に良いではないか。…家族の団欒なんじゃから。」
と、マーチスは一言で一蹴してしまい、即座に知らん顔をしながら、メローナの手を引いて連れ歩きだした。真っ直ぐに玄関の方へと、廊下を進み続けてしまう。
対してジョンド達は気圧されてしまう。もはや何も言えなくなり、ただ後を付いていくしかなかった。
一方で、ーー
「そうだ、お祖父様。」
とメローナは、再びマーチスに話しかけだした。
「なんだい?」
と、すぐさま彼も返事し、
「あのね。…お買い物に、こちらのお客様とメイドも連れていきたいんですの。…駄目?」
「あぁ、そんな事かい。…いいよ、いいよ。」
と、二つ返事で了承していた。
「ありがとうございます。…では、すぐに支度させますわ。…」
すると直後に、メローナは指示を飛ばす。さらにトーニャとサーラを交互に指で指し示す。
「…トーニャ、そちらの方を着替えさせなさい。…私の替えのドレスを着せても構いませんわよ。」
「え?…なんで?」
ほぼ同時に、サーラは首を傾げて、聞き返す。
「いいから、早く!…私の部屋に行って準備なさいな!」
その直後に、メローナの怒声が廊下に響き渡った。
それからトーニャは驚きのあまりに、指示された通りに動いてしまう。間髪いれずに、サーラを腕を引きながら連れていってしまうのだった。




