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2話 野菜のパン粥 10
しかし、それより先にサーラが駆けつけた。深皿によそったパン粥を持ちながら、男達の間を押し退けてきた。
赤ん坊も気がつき、顔を振り向かせる。
サーラは赤ん坊を抱き起こすと、空いた手で深皿から匙でパン粥を掬い、赤ん坊の口元に運んだ。
「は~い、ごはんでちゅよ~。」
「あっ、あ。」
と赤ん坊も勢いよく食らいつき、口を動かしていく。呑み込むや否や、全身を左右に揺さぶりながら、両手を前に前へとつきだしている。まるで、もっとほしいと、おねだりしているようだった。
サーラは続けて、二口目、三口目と掬っては、同じ様に何度も繰り返していく。
「はぁ、~。」
「よかったよ。…」
その直後に大人達は、安堵の溜め息を漏らしている。
ロンドとジョーは、床に座りこんでいた。
またケリーも胸を撫で下ろしながら、
「…あぁ、…なんて美味しそうな顔して、食べるんだい。…」
と呟いて、まじまじと赤ん坊の食事するのを眺めている。すると不意に、深皿のパン粥も気になったようである。




