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2話 四章 手作りクッキー/すみれ茶 8

 それからサーラは、材料ーー、小麦粉、豚の油、砂糖、水、卵を用意したら、作業台の天板に並べだす。

 「お持ちしました。」

 とブランモンも、荷物を両手に抱えて戻って来ると、調理器具ーー、ヘラ、ボウル、ざる、を同じく天板の上に置いていた。ふと視線を動かし、作業台の品々を見たら、

 「これは、もしや。」

 と、思わず言葉を漏らしていた。

 「しぃー。」

 するとサーラは、人差し指を唇に添える仕草をしだし、

 「良いから、このまま釜戸に火をくべて余熱しといて。…」

 と、指示を付け加えていた。

 対してブランモンも一度だけ頷くと、何も言わずに指示された通りに動き出した。薪を竈にくべていき、火を付ける作業に取りかかる。

 サーラも見届けると、ようやく調理に移りだす。

 まずは小麦粉をざるに乗せて、小刻みに振り入れながら、ボウルへ移していく。やがて粉の粒が均一になっていた。さらには他の材料の下拵えも、平行して行う。

 一つ目は、別のボウルに豚の油を入れ、ヘラで練る様に混ぜいれていた。

 二つ目は、皿に卵を割り入れて解きほぐしている。

 そうして、だいたいの準備が終わった。

 「これっぽっちの材料で、お菓子が作れますの?」

 するとメローナは、作業の様子を見つめると、唐突に質問をぶつけてくる。

 「うん。」

 とサーラも、矢継ぎ早に返事をしつつ、次の工程に取りかかった。豚の油が入ったボウルに砂糖を入れると、中身を練り合わせる様にヘラで混ぜる。全体が白くなった頃合いで、今度は卵を複数回に分けてボウルに注ぎ入れながら混ぜていた。だいたい三回まで同じ作業を繰り返すと、ボウルの中身は黄色くなり、もったりとした感触になっていた。さらには小麦粉を加えて、さっくりとヘラで混ぜ合わせると、最終的に手で丸めて、一つの丸い塊にしていた。

 こうして生地が完成するのだった。

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