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2話 四章 手作りクッキー/すみれ茶  3

 「お~い。」

 ふと背後から、聞き覚えのある聞こえてきた。

 すぐにサーラは振り返り、視線を向ける。

 その視線の先では、村長夫妻が歩いていた。互いに隣り合って寄り添いながら、此方に真っ直ぐやってくる。

 「お~い、サーラや。」と、再び村長が呼び掛けてきた。

 「おはよう、村長さん。ばあ様!」とサーラも、元気に返事を返している。

 やがて彼等が合流すると、話をしだした。

 「あんた達、こんな所にいたのかい。…」

 「うん、…普段の起きている時間に、目が覚めちゃって…村長さん達は?」

 「ワシ等は、日課の散歩じゃい。…ばあ様は、頑固で行くと言うのでな。」

 「当たり前でしょうよ。…あんたは最近、運動不足なんだから、」

 「それで、ロンドは?」

 「お父ちゃんは、お部屋の豪華なベッドで寝るのに、一晩中も緊張してて寝られなくて、お日様が登りだした頃に寝落ちしたの。」

 「…あの、馬鹿。…どっちが保護者かわからんぞ。」

 「…情けないね。」

 と、村長夫妻は揃って溜め息を吐いた。さらに続け様に、互いに顔を見合せると頷きあってから、

 「おい、サーラや。…この後は、ワシ等がアリサの面倒を見るから、好きな事でもしなさい。」

 と再び向き直ると、提案してきた。

 それをサーラは聞いて驚いた表情となり、「えっ、でも。…」と恐る恐る聞きながら、やや尻込みしている様子だ。

 しかし、村長夫妻は諭す様に告げてくる。

 「…折角の旅行なんじゃから、…お前さんも、好きな事すればいいんじゃよ。」

 「そうだわさ。…まだ小さい子供なんじゃ。…大人に遠慮なんかするんじゃないの。…そもそも、あの親父が真っ先に、するべき事なんだから。」

 「う~ん。」

 とサーラは腕組みしながら、悩んでいる様子であるも、「…なら、お言葉に甘えて。…ありがとう。…お願いします」

 と最終的には頷き、頭を下げながら礼を言いつつ、申し出を受け入れた。

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