2話 3章 玉葱ソースの鹿肉ハンバーグ 4
それらの料理も、豪勢なメニューである。
子牛のステーキ。
鳥の半身揚げ。
白身魚のムニエル。
サラダの盛り合わせ。
黄金色のコンソメスープ。
様々なパンや山盛りのフルーツ。
あらゆる食材を惜しみ無く使用していた。
おまけに香ばしい香りを漂わせ、視覚や嗅覚を刺激してくる。
この場の全員は、生唾を飲み込んだ。
「うわぁお!」
とサーラは目を輝かせながら、口から涎を滴らせていた。今にも食い付かんばかりである。
その様子に、エピカは微笑ましそうに笑みを向けており、「どうぞ。」と、声をかけて勧めた。
「いただきます!」
すると次の瞬間には、サーラは食前の祈りを済ますと、すぐさま銀食器を手に取って、食事を開始しだした。器用にナイフとフォークで肉を切り分ける。または匙から音を立てずにスープを啜る。
彼女は、テーブルマナーを完璧にこなしながら、次々と食べ物を口に入れていく。
「えぇっと、…こうか?………あれ?」
逆にロンドは、困惑しながら食事を開始する。さらにサーラの動きを見様見真似して、食器を使おうとするも、上手く肉が切れないようだった。
「…これは、どうするんじゃ?」
「じい様、こっちですよ。…この食器を使うんだよ。」
また村長は度々、質問しながら食事をしている。
すぐに、ばあ様が指摘しつつ、自らも食事を進めていた。
因みにアリサは、専用の食事、ーー小さく千切ったパンや、挽き肉入りの炒り卵を食べていた。最初はメイドが匙を使って食べさようとするも、先に自ら素手で食べ物を掴むと、次々に口に入れている。
そのままサーラや村人達は、思い思いに食事をしていくのだった。




