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2話 幕話 領主の屋敷、新たな出会い。 6

 (ーー、お嬢様言葉、なのじゃ。…)

 対してサーラは呆けた表情で、相手を黙ったまま見つめている。

 「…なんですの?!…私が話しているのに無視するなんて!…失礼じゃないの?」

 「…ほえ?」

 「私を王家に連なる侯爵家の長女、メローナと知っていて、そういう態度を取るのなら!…お祖父様に言いつけますわよ!!」

 しかし、その様子に美少女、ーーメローナは怒りを露にして、怒鳴りつけてくる。どうやら堪に触ったようだった。

 「いや、違う。」と、サーラは冷静な態度で、頭を横に振って否定する。

 「ムキィィィーーーー!!」

 それでも相手の怒りは治まらないようだった。大きな声が廊下に響き渡った。

 「すいませんでしたぁぁ!!」

 するとトーニャが気圧されてしまい、堪らず踵を返すと、サーラの腕を掴んだまま反対側の廊下に向かって走り出した。慌てた様子で、どんどんと奥に進んでいく。

 サーラも後ろへと引っ張られながら、足を必死に動かす。全く抵抗する間もない状態だ。

 「ほえぇぇ!?」

 「あ、コラ!…待ちなさい!!」

 と、メローナが言うのが聞こえていた。しかし、すぐに遠くになってしまう。

 そのままサーラは、トーニャに導かれるままに、屋敷中を走り回る事となった。

 もはや今の自分達のいる場所も、解らなくなっている。

 やがて二人は疲弊していき、足取りもふらふらの状態となるも、未だに止まらないまま廊下を横切っていく。

 「なんだ?」

 そんな彼女達と入れ代わる様に、一人の白髪の老人が廊下の反対側を行き過ぎながら、不思議そうな目付きで見ていた。

 彼は見上げる様に背が高くて、でっぷりと腹が出た恰幅の良い大柄な体格をした人物である。また身に纏うスーツは仕立ても良く、金の刺繍が施されていた。

 その風貌から、只者ではない雰囲気を、纏っているようだった。

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