表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/278

2話 幕話 領主の屋敷、新たな出会い。3

 それからサーラ達も続いて、歩きだした。

 だが途中で、ーー

 「うぅ~、ねぇ~。」

 と、アリサが泣きそうな表情で呼び掛けながら、身震いした。

 すると真っ先に、サーラが気がつくと、ハッとした様子となる。状況を理解した途端に、慌てふためきだした。

 「うわぁ!!?…おトイレ、どこ!!…アリサちゃん、少し待って!…すぐに連れていくから!」

 「一番に近いのは反対側の廊下で、その突き当たりのさらに奥です。」

 と、ジュステーヌが指で指し示して、教えている。

 その方向へと、サーラは全速力で走りだして行き、瞬く間に姿が見えなくなってしまう。

 大人達も追いかけられなかった。やがて互いに顔を見合わせながら、

 「サーラなら親よりも、しっかりしてるから大丈夫だろう。」

 「だな。…ワシ等は疲れたし、先に部屋に行かせてもらおうか。」

 と、村長夫妻が結論づけると、再び歩きだして、案内された方角に向かって進んでいった。

 ロンドも後に、付いていく。

 そんな様子を領主達は見届けると、すぐさまジョンドを呼びつけた。

 彼等は互いに顔を見合わせながら、話をしだした。

 「それでだな、ジョンド。…また例の方々がいらっしゃったのだ。…もう、屋敷の中の客間で過ごされているよ。」

 まずサーディンが口火を切った。 

 「…話しは大雑把には、聞いております。…すぐに私が対応を行います。…出来る限り、他のお客様にも会わない様に致しますか?」

 とジョンドも返事をすると、問いかけ返す。

 「…それでお願いね。…出来れば、あの村の人達には、気負わせずに楽しんで貰いたいから。」

 と、エピカが最後に答えると、さらに真剣な表情で付け加えていた。

 「了解しました。」と、ジョンドも頷き肯定すると、颯爽と移動していく。瞬く間に屋敷の奥へと向かう

 その姿をサーディンは見送ると安堵し、小さく溜め息を吐いた。だが一抹の不安を拭えずにいる。

 同じくエピカも、心配そうに見つめている。

 辺り一面を、不穏な空気が覆い尽くしているようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ