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2話 2章 特性サンドイッチ 11

 次第に、各店の客足が増えていた。

 それに比例して、店主達も忙しくなり対応に追われる。

 「これ、頂戴よ。」

 「は、はいよ。」

 はたまた別の露店でも、ーー

 「…これ買うから、こっちは、おまけしてよ。」

 「たはは、勘弁してくれよ。…商売あがったりだ。」 

 「…すいません。…分厚い肉は、まだ置いてますか?」

 「はいよ…待ってな。」

 と、客達の注文や店主や店員の会話する声が飛び交っているようだった。

 「ふむ。…先程よりも活気に溢れているなぁ。」

 そんな様子を、ジョンドは不思議そうに眺めていた。続けざまに市場とサーラ達を交互に見比べると、次第に考え込む素振りをしながら

 「…彼女の料理が切っ掛けだろうけど。…此処で観光客が食事をするのは、良くある事だ。…しかし、まるで雰囲気が違う。…サーラ様だから、この様な結果になったみたいだと言わんばかりだぞ?…」

 と、独り言を呟いている。しかし、すぐに気のせいだと流しており、仕事に打ち込む様に気持ちを切り替えていた。

 「…ふう、旨かった。」

 やがてロンドが呟きながら、自分の腹を擦っている。

 サーラや村長夫妻も、ほぼ同時に食事を終えたようである。

 その頃合いを見計らい、ジョンドは声を掛けてきた。

 「では、皆様。…そろそろ馬車に戻りましょうか。」

 「そうかい。…なら、行くとするかね。」

 その後に、村長が独り言の様に呟く。

 やがてサーラ達も席から立ち上がり、馬車のある方角に歩きだす。

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