表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
169/278

2話 2章 特性サンドイッチ 10

 そのサンドイッチは、中身の具材が小海老の揚げ物だった。

 まず最初に口の中で感じたのは、やや柔らかいパンの触感だ。外側の表面は少し固くても、白い中身は逆に柔らかい。さらに続けて、野菜のしゃきしゃきと、揚げた海老のパリパリした食感を感じる。実に小気味良い取り合わせだった。また海老の塩味がすると共に、しっとりした汁気に混じって微かな酸味もする。どうやら酢漬けの液を少し加えて、味に変化やコクを出しているようであり、全てが渾然一体となって口の中を満たしている。

 「ほう、…成る程。」

 次第にジョンドは無心になっており、さらに二口目、三口目と齧りつきだすと、瞬く間に完食してしまう。

 「ふふ。…」

 それをサーラは見届けると、嬉しそうに微笑みを浮かべた。続けて姿勢を直すと、自分の分のサンドイッチを手に取って豪快に齧りついたのだった。

 「ん?」

 それから暫し、楽しい食事の時間を過ごしていく。

 ふとジョンドは、辺りの気配が気になり、視線だけを向けてみる。

 すると市場を利用している街の人々がいた。真横を通り過ぎる時に、此方の様子を見ており、去り際に会話をしていた。

 「あれ、旨そうだな。」「そうね。」

 「ママ!…僕も今日のお昼は、サンドイッチが食べたい。」「…えぇ、わかったわ。…材料を買って帰りましょうか。」

 そのまま街の人々は、各々の買い物へと赴いていくようだ。彼方此方の店を巡りながら、食べ物を調達している。

 因みに、彼等の行く先々の場所は、最初にサーラが食材を手に入れた所である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ