エピローグ 新しい家族と、赤ん坊の名前。 2
「本調子ではないよ。…でも今は、食欲も戻ってきたし、前よりも体力も付いて動ける様になったよ。…それもこれも、サーラが料理を用意してくれたからだよ。」
「…貴女の料理って、マリーさんの味とそっくりだから、つい懐かしくて食べてしまっていたわ。」
と、リリャーも呟きながら、同意している。
「…もう感謝してもしきれない。」
「ふふ、…そうね。」
そのまま二人は顔を見せ合い、微笑みを浮かべていた。
「いやぁ、そんな。そんな。」
とサーラは、頬を掻いて照れくさそうにした。手を横に振りながら否定し、謙遜している。
アニタは、微笑ましそうに眺めていた。
リリャーも、クスクスと口に手を当てて笑う。
やがて二人は、互いに一瞥すると、意思を示し合わせているようだ。
今度はリリャーが前へと出てきた。すぐさまサーラの目の前で跪くと、目線の高さに合わせて、話しをしだした。
「サーラちゃん。…貴女にしか頼めない事があって、…また少しの間だけ、この子を預かってくれない?」
「え、何で?」とサーラも聞き返し、耳を傾ける。
「…あの後ね、…領主様達と話をして、今後の事が決まったの。…数日したら、私は街に移って、お医者様の治療を受けるの…。…でも、しっかり治療には専念しなくちゃならないから、…この子を預かってくれる人が必要なの。」
「それで、私に?」
「…最初はエピカ様も、自分達の家で預かろうと申し出てくれたの。…でも勝手が分からないと大変だろうって事になってね。…貴女になら安心して任せても良いと思って。」
とリリャーは言いつつ、最後に「お願いできないかしら?」と頭を下げて頼み込んできた。




