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7話 思い出のアップルパイ 15

 「あとは、…ケリーさん。…コンポートは、火元から離して粗熱を取っておいて。…それと、誰か!…さっきの生地を持ってきて!」

 そうして一連の工程が終わると、サーラは指示した。

 すぐさま周りの村人は、急いで移動を始めた。

 ケリーは鍋を火から離し、仰ぎながら中身の具材を冷ます。

 また村の老婆も、再び施設内に入っていき、生地を持って、作業台まで戻ってきた。

 「はい、お待ちどうさま。」

 「ありがとう。」

 サーラは礼を言い、手際の良い動きで最後の工程を行う。作業台に軽く打ち粉をまぶし、パイ生地を天板に乗せて麺棒で伸ばす。だいたい1センチ位の厚さにしながら、正方形になる様に形成していく。さらに追加で打ち粉をまぶすと、ほぼ三等分に折り畳み、また棒で平たく伸ばすのを何度も繰り返していく。

 最終的にはパイ生地は、5ミリ位の薄さになっていた。

 すると村人達が近くまで来た。

 同じくサーディンにエピカも、見学しに来る。

 「うわぁ、…」「見事だね。」

 と、各々が感嘆の声を漏らす。

 またアニタも横で作業を覗き込んで、熱い視線を送っている。

 周りの様子にも関わらず、サーラは作業に没頭し続けている。伸ばした生地を寸断し、複数個の小さな長方形に分けていくと、半分を残して網目の切れ込みを入れる。

 時同じくしてケリーも、やって来た。りんごのジャムとコンポートを手に持って、手渡してきた。

 「はいよ。…サーラ。」

 「ありがとう。」

 とサーラは言い、鍋を受けとると残り半分の生地の上に材料を敷き詰める。匙でりんごジャムを塗りたくり、さらにりんごのコンポートを均等に乗せると、終いに網目の切れ込みを入れた生地で蓋をした。細部にも指でちねって封をしながら、表面には卵黄を付けて艶をだしをした。

 やがて残りの全ての生地やジャムとコンポートを使いきった。

 全て村人総出で作業を繰り返したら、順番に釜戸の中へ持っていく。いよいよ焼成に入るのだった。

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