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7話 思い出のアップルパイ 8

 「お頭!」

 「あ?…なんだよ、どうした?…あの嬢ちゃんでも来たのか?」

 すると馬車の裏手から、店主が姿を現し、

 「あっちを見てくださいよ!…村の連中が殆ど集まっていて、何かしてます!」

 「なに?」

 と話を聞くと、訝しげに首を捻りながら、若い商人が指差す方向に視線をやる。

 その先では、ハンター支部の施設の前にて、村人達が作業に勤しむ姿があった。

 ハンター達は、大小の石を積み重ねながら、土と泥を混ぜ捏ねたのを塗りたくり、釜戸を作っているようだ。

 数は全部で三つあり、ドーム状の形と、二つの円柱状の形がある。

 さらに婦人達も、施設から長テーブルを外に運びだして近場に設置をすると、天板の上に食材や調理器具を並べていく。

 その様子を商人達は、まじまじと見つめながら、囁く様に話をしだす。

 「何をしているんでしょうか?」

 「さっぱり、わからない。」

 「おや?」

 「商人のおじさん達ーー!」

 すると人集りの中から、サーラが姿を現して、馬車の方へと駆け寄っていく。

 商人達も気がつくと、すぐさま仕事の対応に移った。

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