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ガラスの狐  作者: 練乳バナナ
3/4

「霞つよすぎんだろ~」


そう間抜けな声を出して風吹が部屋を出る


途中で夕食を挟んで計6時間もゲームに没頭してしまったが1度もどのゲームでも霞には1勝すら出来なかった


それは風吹も虎斗も同じで さらに言えば途中で乱入してきた人たちも誰も霞には勝てなかったのだ


これは・・・ 将来プロゲーマーにでも成るのでは?という率直な疑問を霞にぶつけてみたが一笑されてしまった


風吹はあとちょっとで勝てそうだったがここからの壁が大きく追い詰めてもするりと逃げ出されてこの時間になってしまった


この施設には消灯時間があってそれをすぎると電気がもともと部屋に固定されている小さな電気以外使えなくなってしまうのでそれまでに風呂に入って俺は今日ここに来たばかりだから無いが明日からは学校も課題もあるそうだ


この学校はできれば上に進むし出来なければ落とされる 学年の概念がほぼ無くテストの点数や学習の進み具合によってクラスが分かれるので俺はしばらくこの人達と同じクラスにはなれないらしい


さっきまでしていたゲームの話をしながら歩き 途中で虎斗が「女子棟こっちだからまた明日」と言って右へ曲がろうとする虎斗の頭を霞が軽く撫でる


そういえば 2人は付き合ってるんだったなと俺が改めて察する


「また明日」

その言葉に笑って頷く虎斗を風吹がどこか懐かしいような目で眺める



好きな人と付き合うというのはどんな感覚なのだろうか


残された俺ら3人は風呂でも行くかぁといって一度部屋に着替えを取りに行ったあとに大浴場へ向かうと俺らの目の前を大量の湯気が包んだ


「あたりだな」


白い一面の世界を眺めて風吹が呟いた


「そうだね」うっすら笑みを浮かべながら霞が答える

どうやら知らないのは俺だけらしい


「どうしたの?」


「「人がいない」」

親指を立てながら言葉だけではなく動きもシンクロした二人がこちらを向く


だが浴槽には数人の人影がある

「いるじゃん」


「馬鹿かお前! いつもはこの数倍は居るんだよ!」

「ひどいときなんて10倍はいるぞ!」

「今日なんていつにもまして少ないぞ?」

「お前言っとくけどこれは普通じゃなくてレアだからな?」

「毎日がこんなんなわけ無いだろ! 施設に何人居ると思ってるんだ?」


マシンガンが飛んできて俺が顔をしかめるとしまったという顔で弾丸を止めた


大浴槽に飛ばしたマシンガンに反応した人たちの目線が痛い

だが二人はそんな事はつゆ知らず中へと進む


こんな風に誰かと一緒に入るのなんていつぶりだろうか  そんなことを考えながら霞と一緒に入ってたらいつの間にかのぼせていた


おまけに少し涼んだあとにサウナもあるからなんて連れて行かれたので吐くのを我慢するので精一杯だった


部屋まで肩を貸してくれた2人にありがとうと掠れた声で言い

ベットに倒れ込む


のぼせた疲れか強烈な眠気が襲ってくる


「なーなー 霞ー 彼女居るってどんな感じよ」


「出来たらわかるんじゃないか?」


「それは皮肉か?」


そんな2人の会話も俺の耳には届くが全く入ってこない


「俺は絶ってぇできねぇよ」


「顔がいいんだから頭と性格直せば彼女くらいできるんじゃないかな」


「そういう意味じゃねぇんだよ」


その会話を最後に 俺の意識は闇に吸い込まれるかのように消えていった

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