声
父、カラスが妹のユナを襲うと魔女から忠告された。半信半疑だったが、急いで家に向かった。
父は3歳の時に家から出て行った。悪魔の日と呼ばれる冥界から魂が溢れ出す日に死者を出した責任を負って、、、、、。間違えた、「責任を負って」じゃなくって「責任から逃げて」だった。そのせいで俺たちがどれだけ大変だったか。 、、やめよう虫唾が走る。
家に着くと、僕の不安は爆発した。家には誰もいなかった。ありえない。ユナは一週間前から風邪で寝たきりだ。連れ出されたのか?どこへ?なんで?、、、目の前が真っ白になる。おちつけ、落ち着け。
ユナは頭がいい。襲われたなら、何か痕跡を残していないか?、、、いないな、、ん?
、、机の上に置き手紙があった。
<遅くなる前に帰る。
安心、、していいのか?いや良い訳がない。魔女は妹が殺されると言った。でも、僕は何もできない。
誰かに頼れば大事になる。それだけは避けたかった。自分の無力さに涙があふれる。僕はいつだってそうだった。何にでも受け身で肝心な時に何もできない。「ああすれば、こうしとけば」って気持ちは人一倍あるのに、どうして何もできないんだ。もう嫌だ。たくさんだ!
、心の中から声が聞こえた。
「大丈夫。待ってなさい。」
緊張の糸が切れたのか、ぼくは気を失った。