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秋の初月二日
晶石細工師のルイはエドの友人でアジャとも親しい。私も知らない顔ではないけど、アジャほど親しくはなかった。
アジャは結構型破りなのだ。
上級資格を取る前にも男子連中と盗賊退治に出かけたりしているし。普通の女子は男子のところに出入りはしない。
まあ、アジャのやることだから。
ルイに光の宴に晶石を使う案について意見を聞いた。
遠隔や自動で灯すのは難しいらしいけど、配置を工夫して、灯した晶屋に被せた覆いを外すことならできるのではないかと言われた。
覆い被せ方や外し方を工夫すれば、単純に一対一の転移魔法でも対応できる。
晶灯についてはごく小さなものを大量に用意できるか、やってみてくれるそうだ。ただ、いつもよりは予算がいりそう。
あと、人手についても男子はもちろん、塔中からかき集めることになりそうだ。
やっぱり宮廷に出向いてでも、いちどは塔主さまのご意見を伺う必要がありそう。
明日にでもなんとか潜り込みに行ってこよう。