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秋の終月の十七日
また兄が来た。
もっとも、兄が来るのは割に歓迎されている。
兄というよりはお土産が歓迎されているのだろうけど。
今日は長居はせずにお土産を置いてすぐに帰った。
一応試験まで一ヶ月を切っていることに配慮しているみたい。
陛下の体調がやや安定したそうで、退位のご意向を口にしておられるそうだ。状況も状況だから一気に話が本格化するかもしれない。
お土産はアジャのケーキと、干した果物を沢山。それから鹿肉の燻製。
燻製?とかおもったけど、一口大の燻製は食べやすいので甘味の間に結構つまんでしまった。
太りそうでちょっと怖いけど、午前の修練で体は動かしているからきっと大丈夫だよね。




