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秋の終月の十三日
レイラの結婚が本決まりになったそうだ。なんだか展開が早い。年明けにはお輿入れになりそうと言われて、かなり焦った。だってライラと被ってる。ライラの分だけなら試験が終わってからでも楽勝とか思ってたけど、レイラも同時とか言われると困る。だって試験までまだ一ヶ月以上あるし、さすがにまだかかりきりになんてなれない。
でも新年まではあと三ヶ月ちょっとしかない。
ベールは手がかかるから、光の宴みたいな訳にはいかないし。
そんなわけなので夕食後、リリーナに刺繍を教えた。塔の模様は下書き無しで縫えないと困る。
結構難しい模様だし大変だと思うけど、試験が終わる前には覚えて欲しい。
リリカスの塔の女子部では、ベール全体に地紋の様に塔の模様を施し、縁に金糸銀糸で飾り模様を入れます。
塔の模様は蔓草を図案化したもので、塔の魔術師の連帯と受け継がれる知識を象徴しています。
さらに合間に個人の模様を組み合わせたりもします。




