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秋の終月の四日
久しぶりに仕事を頼まれて、女子部全員で宮廷に出かけた。
広間や廊下の壁の晶灯の点検のためだ。
埃をかぶるので厚手の前掛けをかけ、髪と鼻はスカーフで包む万全の準備をして行う。
みんなで晶鈴の髪飾りもつけた。
使ってみるとすごく便利だったので、今ではみんなで手分けする仕事には必須になっている。実用性を考えると、飾りはいらないんだけど、せっかくお揃いで作ったのにちょっと惜しい気がするので、まだそのままで使っていた。木滴の香りが時々薫るのもいいと思う。作業の役にはたたないけど。
何度もやったことがある、いつもの作業なので手順はきっちり決まっている。初めてのりリーナに教えながら、作業はさくさく進んだ。
気になったことといえば、ザヴィータ大使夫人がうろうろするのを見かけたぐらい。
結構嫌な気分になった。
旦那様共々お国に帰ってくれないかなあ。




