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秋の中月の二十八日
今日は久しぶりに呼吸法の鍛錬を念入りにやった。
息を吸い、とめ、ゆっくりと吐き出す。
イメージの中で私は世界の気をゆっくりと吸い込み、身のうちにため、細い糸に紡いで吐き出してゆく。
魔術というものを修める時の、一番基本的な鍛錬。
世界に満たされた気を取り込んで、自分の思う形に構築するための基礎。
意識して一つ一つの手順を確認するのは、やはり大切なことだ。
呼吸歩を意識しながら、魔術を構築する。
炎、風、光、水。
応用して、雪、霧、氷、風の刃。
魔法陣の構築、発動。
小さな稲妻を作り、種を芽吹かせる。
芽吹かせるのが精一杯だけど。
一通り終ると、かなり息が上がっていた。
まだまだ術の精度が悪い。
試験までにもっとしっかり腕をあげなくちゃ。




