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リアーナ=エリシアの日記  作者: 真夜中緒
昇級試験編
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秋の中月の二十七日

 上級魔術師の結婚条件は難しいけど、例えば王族なら許可が出やすい。特に直系王族なら尚更。

 だからエドはもうちょっと押せばいいのにって、私はずっと思っている。

 エドはアジャのことが好きなのだ。

 多分結構前から。

 エドは幸いにも王太子様との関係もいいし、きっと許可は下りるだろう。問題はアジャの意向で、こっちはよくわからないけど、アジャの周りにいる男性の中でエドより有利な人はいないと思う。

 まあ、どちらにしろ王太子様の双王妃が定まって、アジャが帰って来ないと始まらない。

 アジャをリリカシアに押そうという勢力のある今、下手な事を言うと下りる許可も下りなくなっちゃいそうでもあるし。

 なんで今さらこんなことを考えているかというと、今日、宮廷でそんな話を聞かされたからだ。

 アジャを呼び戻すべきだとか、塔ならアジャと連絡が取れるんじゃないかとか。塔こそ率先して申し子を次代のリリカシアに推すべきだとか。

 いや、魔術師って万能じゃないし。

 本人の以降も聞かずに縁談決めるのもどうかと思うし。

 何よりアジャがアマリエ様よりリリカシアに向いているとは到底思えないし。

 黙ってたけど、頑張って黙って笑ってたけど、本当に辛かった。

 私は、アジャがエドに嫁げばいいなと思う。

 下手な他国の王女を娶るより、きっと国のためにもエドのためにもなるだろう。そして私は女官長として、一緒に国を支えたい。

 もしかしたら、それは私の我儘なのかもしれないけど。

 私は、アジャが好き。

 そしてエドのことが好き。

 大好きな二人と大切な祖国のために働きたい。

 とりあえずの目標は、私が中級上位の試験に受かることなんだけど。

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