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秋の中月の二十一日
神威の遊王が崩御遊ばしたという知らせが来た。
アジャが神威で大変お世話になった方だと言うことで、女子部は三日の喪に服することになった。
神威には魔術師の塔がないので知らせが来るのには、最短でも十日ほどかかる。旅路にあるアジャがこの事を知ることができるのは、随分先の事になるのではないかと思う。
即日次の遊王が立たれたそうだし、神威の王は五人おられるそうなので、前遊王の崩御だけで大きな動きにはならないのだそうだ。
一体どうやって国を治めているのか、とても不思議。アジャが帰ってきたら是非聞かないと。
喪に服するので髪は黒いリボンだけで結び、帯も黒いものを結ぶ。
さすがに軽い喪なのでドレスを替えたりはしないけれど、歌舞は3日の間、慎む。
久しぶりに魔術書の解読などして静かに過ごした。




