秋の中月の十六日
昨日の日記はなんだか前後関係とかよくわからなくなってしまったので、昨日の事も書こうと思う。
朝は例年通り謁見の間に控えた。この時はアリアの晴れ着の引き裾もつけて、全員できるだけ威儀を正して並ぶ。新年と違って今年の作柄と税の報告なので、次々現れるのは官吏たちだ。あとは領主からの上納の報告が続く。
午前中の謁見が終わると、午後一番は国王陛下が正門のバルコニーから国民に今年のみのりへの感謝を呼びかける。今年は謁見もバルコニーからの呼びかけも、王太子殿下が代理に立たれた。
それが終わると正門前広場から一度人々を出して、飾り付けの点検をして日暮れを待つ。日暮れには広場が開放されて、光の宴の始まりだ。
宴は本当にうまく行った。
だけどこれは女子部だけの手柄ではない。むしろ先輩である女官や踊り手の皆さん、そして楽団の助力に寄るところがほとんどだと思う。
今日までのところは見劣りするとか貧相とかの批判も出ていない。本当に良かった。
今日は正門前広場の片付けをした。
ちょっと惜しい気もするけれど、感謝祭は一日限りの決まりだ。正門前広場のあとは大広間の片付けも手伝った。
二十日に塔の中庭でささやかなお茶会を開いて、今回の協力者の皆さんを招くことに決まった。
明日から頑張って準備をしよう。




