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秋の中月の十五日
成功した。やり遂げた。きっともう一度やってもあれ以上のことはできないと思う。
光の花も、踊り手の煌めく衣装も、晶灯のリボンも、正門の明りも。
思い描いていた通りの、月夜に煌めく光の宴を演出することができた。
本当に嬉しい。
最後の光の花を合図に舞踏会が始まったとき、私はなんだか力が抜けて、楽団の側で座り込みそうになってしまった。
最初の予定では舞台上を下がる予定だった踊り手達が、舞台から降りて人々に混じってくるくる踊る。それに引き込まれるようにダンスが始まって、あとは男子部の担当だ。
正門のところで待っていると、抜け出してきた踊り手達が次々に戻ってきた。
みんなで肩を叩き、抱き合い、健闘を讃え合う。
嬉しい、ほんとうにうれしい。
女官の皆さんにも、踊り手の皆さんにもお礼を言った。楽師の皆さんはまだ忙しそうで無理だったけど。
後日必ずお礼の機会を設けようと思う。




