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秋の中月の八日
今日は塔の中庭を飾り付けて、日没後に合同練習をした。
中庭では実際と同じにするには狭すぎるので、色々省略はしたけれど一応本番と同じ感じで演奏と踊りに合わせて晶灯を点灯させ、前後の光の花の打ち上げもやった。
アイラ様も時間を割いて見に来て下さったけれど、よくできているとお褒めの言葉を頂いた。
でも、やっぱり正門にはちょっと不安がある。
それぞれの女官が曲とタイミングを覚えてきたので、イリーナの負担はかなり減っているし、それはいいことだと思うんだけど、まだ腰が引けているというか、遠慮しているというか。
そもそも割と大人しい子だし、かなり年長の女官方に腰が引けるのは分からないでもないんだけど。
光の花の方は全員うまく打ち上げられた。
タイミングを揃えるのに、髪飾りの晶鈴がかなり役にたった。
段取りはみんな出来上がって、あとは精度を上げるために練習すればいい感じ。それだけにイリーナに頑張れと思ってしまう。




