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秋の中月の五日
今日も髪飾りをつけての合同練習。
気がつけば歌ってしまうくらい音楽が染み込んでしまった。しかもタイミングを取る音まで全員分覚えこんでしまったぐらい。
これはたぶんみんな同じで、きっとだれでも宴の音楽を聞けば反射的に、「側面消灯」とか「正門赤」とか思い出してしまうと思う。きっともうこの先一生、あの曲を単に聞くと言うことはできないんじゃないかしら。
日暮後には光の花も練習した。リリーナはもうすっかりコツを掴んだみたい。念のために担当を打ち上げ位置から一番近い正門にしたけど、まず大丈夫だろうと思う。
宴まであと十日。
明日からは手伝ってくれる女官の面々も一緒に練習することになっている。




